甥っ子コンプレックス

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※ヒロ視点※

当日、17時過ぎに会場に着いた私は、マルクがどこに居るのかすぐには分からなかった。

そうしてると写真を撮りますという日本語が聞こえてきて、そっちに目をやると居た。しかも、隣には私好みの美女が立っていた。

マルクは彼女の腰に腕を絡ませたり、手を触ったりと異常なほどのボディタッチをしていた。顔を顰めて見ていたが、チャンスだ撮ろうと思い、持ってきたカメラで撮りまくっていた。

マルクの方に数歩ほど近寄り撮る。そうしてると、マルクは私に気づき手を振ってくれた。

すると、彼女をこっちに振り向かせてくれた。

一緒に写ってるのを数枚撮って、マルクがこっちに来るのを待っていた。その内の数枚を、笑顔の写真はアップにして自分のiPhoneのお気に入りに取り加えた。

 

夕食後、マルクと雑談を交わしていた。

その後、ナイトキャップの話になり、ナポレオンに決まり2人して飲んでいた。

マルクに注いで貰うとグラスにちみちみと少量なので自分で注ぐ。

「あー、注ぎすぎ……」

マルクの声が聞こえてくるが無視だ。

飲む量は自分で決めるんだから。

 

仕事の話や、オフの過ごし方等、それと4回目となる男2人旅をしたいねと話になり、行先も決めた。

アメリカだ。

だが、その4回目は実現しなかった。日本から父親が死んだと知らせがきたからだ。亡き父親の跡を継ぐ為、院長になるんだとマルクに話した。

「ヒロ、またおいで」

「うん。マルク、元気でね」

 

※マルク視点※

 

寂しいと思ったのは、これが初めてではない。

でも、今迄とは違った思いがあった。

それが通じたのか、ヒロは言ってきた。

「マルク、今度は日本に遊びにおいでよ。色々と案内してあげるから」

「ああ、その時はよろしく」

 

だけど、自分は日本に行く事は無いだろう。

ヒロ。

君がドイツに来ることを願うのみなんだ。リョーイチでもキョージでもアンソニーでもない。息子のニールでもない。ヒロ、君だけなんだ。

だけど、この気持ちは届かない。

今迄、色々とあったがヒロの言動には心を動かされていた。

 

ヒロ。

何時でも良いから待ってるよ。

 

本編である『俺様ボス~』シリーズの第一部とリンクしております。