4人の幼き戦士

その人の名は、アダム=バーンズ・フォン・パトリッシュ。

彼は、ドイツに在るフォン・パトリッシュの初代『御』だった。

私は、そのアダム=バーンズの血を引く直系の孫。

 

彼の事を少し紹介しよう。

 

彼は金髪、澄んだ青い瞳のドイツ人。

背が低いのが玉に瑕な、一見、子供と間違えられる風貌をしている。

ドイツでは名立たる名家であるフォン・パトリッシュ候の嫡子だ。

それが、どういういきさつなのかイタリアの子供隊の隊員となっていた。

気が付くと、イタリアに居たらしい。

その辺りの事は手記にも書かれていなかった。

どうしてイタリアなのか、全く分からない、と。

 

ドイツ人なのだが、彼は言語に強く、得意とする言語は日本語とロシア語だ。

そのイタリア隊に居た間に、色々な事を勉強させられたと書かれている。

 

その隊に居た間の事が、手記に書かれている。

大まかに書くと、こうだ。

アダムは3人の少年達と仲良くなって過ごしていたそうだ。

 

その内の1人。

赤髪で腕白小僧という感じのウォルターは、どことなく理知的な少年を感じさせるアメリカ人。

 

そして、もう1人。

黒髪黒目のリン(林)は大人しそうだが、中国人という事もあり、太極拳が得意で、少年ながらでも強かった。

 

そして、もう1人。

銀髪碧眼の、何処からどう見てもイタリア人だと思わせる風貌を持つグズ。

 

どうして、自国の子供を入れるのだろう。

なにしろ、ここの隊ではイタリア人はたったの一人しか居ないからだ。

カピターノである、アーノルド。

カピターノとは、イタリア語でキャプテンという意味だ。

子供隊の隊長であるアーノルドはイタリア人の少年だ。

グズは、一体何をして隊にぶち込まれたのだろう。

背は私より高いが、年下なのは見て分かる。

 

ここの隊では、大人も子どもも冷たく暗く、馴れ馴れしい感じは一切無い雰囲気を醸し出してる。

大人は諦めた感じで与えられた任務を黙々と熟しているが、子どもはそうはいかない。

勉学だけ良くても、実践に強くないと生き残れない。

大勢居た子ども隊の隊員は、アダムが入隊して一年後には半数近くに減っていた。

 

隊は人を殺す事を生業にしているので、人殺しは嫌だと言えば、自分が殺される。

子ども隊の隊員は拒否すれば殺されるので、黙って心身だけでなく頭の勉学と武術だけでなく、ITやスポーツに励む毎日だった。

銃器以外の事だけだったら、どんなに良い事か。

来る日も来る日も、そう思って過ごしていた。

 

だが、アダム=バーンズは、そんなにも苦では無かった。

なにしろ、ドイツに居た頃は帝王学を学んでいたので、その復習になるからだ。

だが、人殺しだけは本当に辛くて……。

これだけは本当に嫌だった。