4人の幼き戦士

20

やっと、バーンズが来た。

リンの側には赤髪のウォルターまで居る。

私より早くに死んだのだろうか。

 

野暮用を済ませてたら遅くなった、とバーンズは断りを口にする。

 

リンとウォルターは、バーンズから話を聞いた。

グズは、まだ生きてる。

本名はユタカで、イタリア王子としてフリーパスで世界を行き来しているという事を。

どうやら、ある男に惚れているみたいで告る事は出来ないチキンな奴だという事も付け加えた。

 

それを聞いてウォルターは笑ってる。

「やっぱり、あいつは何時まで経ってもネンネだな」

リンは呆れている。

「全く、何時まで経っても子どもだねぇ」

バーンズは、そんな2人を微笑ましく見ている。

 

ウォルターは、バーンズに声を掛けてくる。

「なあなあ、リンは病で死んだらしいけど、バーンズは?」

リンは、バーンズにウォルターの死に様を教えてくる。

「ねえねえ、ウォルターはね、私が死んだ事を聞いて、車に轢かれて死んだんだって。ウォルターって危機感のない所は昔と変わらないよね~ー

「だって、お前が死んだって聞いて、ショックだったんだよっ」

 

バーンズは、そんな2人にとんでもない言葉を返してくる。

「何時まで経っても、お前達は仲良いよな。私は、息子に殺された」

その言葉に、2人は驚いてる。

「え、息子に?」

「バーンズって結婚したんだね」

 

バーンズは、やっとカミングアウトした。

「私は早くに結婚したんだ。4人目が生まれて、直ぐにイタリアに拉致られた」

「え……」

「何で子ども隊?」

リンの言葉にバーンズは答える。

「背が低く幼く見えたからな。昔から、よく子どもに間違われていたよ」

 

バーンズは2人に提案を持ち掛けた。

「なあ、あいつの所に行ってみないか?」

「あ、それ良いな。あいつのネンネぶりを見てみたい」

「ウォルターッ! あ、でもグズの好きな人が気になる。どんな人なのかなぁ」

呆れた様にバーンズは言ってやる。

「ったく、お前等は……。相手は男だぞ」

 

が、2人ともスルーしてくれる。

「行こ、行こ」

「守護霊になるのも良いね」

リンの、この言葉にウォルターとバーンズは笑い出した。

 

あはははっ……。

 

笑いが落ち着いて、ウォルターはボソッと呟く。

「守護霊ではなく悪霊だろ」

 

バーンズは溜息を吐いてる。

「はあ……。ウォルターは相変わらず頭悪いな」

「な、にゃにおうっ」

「悪霊とは低級霊やイタズラ霊、からかい霊とか呼ばれてる霊だぞ。私は、そんなのにはなりたくないな」

「なら、何になりたいんだ?」

即答だった。

「ゴッドファーザー」

 

その言葉にウォルターは笑い出す。

「ぷぷっ……。やっぱ保護者じゃん」

リンは嬉しそうに口を開いてくる。

「良いよね。彼の言葉は好きだよ」

「どんな言葉?」

「ん、やっぱりこれだね」

すると、バーンズとリンの言葉が重なった。

 

「銃は置いて行け。カノーリは持って来てくれ」

 

ウォルターは相槌を打つ。

「その言葉は知ってる。『たとえ失敗しても、それに捕らわれるな。違うやり方を模索して成功させろ。』っていうあれだろ」

バカにしたようなリンの声が聞こえてくる。

「へぇ、ウォルターらしくない。物知りじゃん」

「俺だって、その映画好きなんだよ」

 

この2人のやり取りを聞いて楽しい雰囲気を壊すのは嫌だが、バーンズは聞いていた。

「で、どうするんだ?」

即答だった。

「行くよ」

 

なら行こう。

お互いに手を繋ぎ、バーンズに同調する。

バーンズは、数瞬後には居場所を見つけた。

「居た」

 

その言葉を発した瞬間、グズの頭上に着いた。

 

四方を海に囲まれた場所だ。

最初にウォルターが口を開いた。

「海に囲まれてる……? ここって、日本?」

そのウォルターにリンは応じる。

「いや違う。日本は、こんなに広くない」

バーンズが正解を導く。

「オーストラリアだ」

 

その言葉に、2人は驚く。

「えっ……、南半球?」

「へぇ、南半球には行った事ないや」

「北半球が寒い時は、こっちは反対の暑い時期で」

 

「え、だって俺等死んでるんだよ? 暑さや寒さな……って、バーンズ、何を見てるんだ?」

リンも分かったのか、バーンズに詰め寄る。

「バーンズ、それってトラベルガイドだよね」

 

「ばれたか」

その呟きが聞こえたのだろう。

ウォルターとリンは、逃げ出したバーンズを追って行く。

「待てー! 結局は、お前も知らないんじゃんっ」

「バーンズの知ったかぶりっ」

 

あはははっ…。

 

2人は、逃げるバーンズを追いかける。

笑いながら、3人は追いかけっこをしている。

まるで小さい子どもみたいに。