男は何歳になっても夢見る少年だよ

コースケと一緒に、その部屋から出る。

思わず声が出ていた。

「ひろっ」

「お城みたい」

僕の言葉でコースケは、ここがどこなのか分かったみたいだ。

「お城か……。なるほど、あそこか」

でも、今更だよなと言いながら歩き始めた。

何のことか分からない僕はキョロキョロとしていたら、ある物を見つけたので勝手にそこに向かった。

 

で、コースケのとこに戻ると持っていた物を差し出した。

いじめっ子の表情をしているコースケは、差し出された物を見ると絶句していた。

「どっから、こんな物を……」

「あっち。もっといっぱいあったよ」

「……飲み物は?」

「分かんない。でも、あるかも?」

いじめる気満々な表情から一転して笑顔になったコースケと一緒に、先ほどの場所へ2人して行く。

大きな冷蔵庫を開けて中を覗いていると、小さいパックのバナナジュースとオレンジジュースを見つけ、それを2つずつ手にしてズボンのポケットに入れると、牛乳も手にする。

そして、今度は先ほど見つけて置いたパンの所に近づくと、他のパンも手にして、2人して幼稚園のスモッグのポケットに押し込んでいく。

「ねえ、イチゴがあるよ」

「食べちゃえ」

「バナナもある」

「ここで、少し食べようか」

「うん」

腹が減っては戦はできぬと言うからなと言って、コースケと隅に寄って食べていた。

今日の昼ご飯はパンと牛乳とイチゴとバナナだ。

コースケは何かを見つけたみたいだ。

「おやつは、これな」と言って、チョコレートを一箱ずつポケットに入れる。

よし、帰るぞ。

長めの縄を見つけたので、それを首に掛けているとコースケも同じようにしている。

少し多めに拝借して、帰りの支度と称して戦闘の準備をしていく。

コースケは爪楊枝をたくさん見つけたので、一箱を手にしている。

僕は押しピンを見つけたので、一ケースを貰い受ける。

「お。トモのソレ、いいかも」

「たくさんあるよ」

「俺も貰おう」

「輪ゴムもあるけど」

「それも貰っちゃおう」

スモッグの裏ポケットに武器を隠し持つと、これで準備万端だ。

 

ふいに声が聞こえてきた。

「おい、あのチビどもがいないぞ」

「どこに行ったんだ」

「探せ。探し出して、あの方の前に連れて行かないと」

 

目の前を我が物顔をして通り過ぎていこうとしているモノを見つけたコースケは、そいつを抱き寄せる。

驚いたのか、こっちを振り向いてきたソレは犬だった。

その犬は吠えることもしなければ威嚇することもなく擦り寄っている。

「おりこうさん。俺を覚えてるってことだな」

コースケは、その犬に言っている。

「俺たちは家に帰りたいんだ。手伝ってくれ」

その言葉に犬は鼻を押し付ける。

「ビッグ。遊ぶのは帰ってからだ」

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『Asami Novel』のあさみと申します。
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