可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 13

俺の愛読書は執事さんの図書室並みの本棚の中から頂いた数冊だ。その中には絵本もあれば、文字ばかりの小説もあるし写真集とか雑誌もある。

その内の2冊に興味を引かれた。1冊は写真付きで、もう1冊はイラスト付き。目が釘付けになったものだ。だから、悟さんの言わんとしてる事が分かるのだ。

「優介、私は何とも思ってない奴には何もしない」

「それって、どういう」

だが遮ってくれる。

「優介、お前は私だけに見せればいいんだ」

「悟さん」

「誰かに言われたからでは無い。私自身が選んだんだ。優介が良いと」

「さと」

「私の側に居てくれ」

「え、それって」

「これからも、ずっと」

「悟さん」

「お前の唇と身体は私が貰う」

「それって」

「私のだ」

「悟さん……」

俺のお尻と身体を触ってくる悟さんに少しイラついた。分かったのだろう、少しすると言ってくれた。

「好きだよ」

その言葉に、顔を上げ、目を向けた。

「何、目を大きくしてるんだ」

「だって、信じられない」

悟さんは苦笑しながら言ってきた。

「本当は、お前にくっ付いてたセーラー服の奴をぶん殴りたかったんだ。それを昌平は”相手は小学生だ”と言って、大きな声を出したんだ。『家庭科室、見つけた』ってな」

「どおりで大きな声だと思った」

「昌平は、私の気持ちを知っている」

「え?」

「優介、私は、お前を大事にしたい。だけど相手が小学生だろうが関係ない。私の大事なものを触るな。テメェなんざぶちのめしてやるって、そういう気持ちだったんだ」

「悟さん……。でもね、あのね、先輩はあそこの人たちとは違うよ」

「分かっている。だけど、公立のあの学校の奴等は許せない。殴る蹴るだけでなく、階段の上から突き落として……、挙句の果てに、あばら骨を折る様な事をした。私は」

「悟さん、ごめんね、ごめんなさい。あんな事されるだなんて、俺は分からなかったんだ。本当に、迷惑かけてごめんなさい」

思い出すのも嫌なんだけど涙が出ていたのか、悟さんは舌で目元を舐めてきた。

「ん……」

「いいか、他の奴等には絶対に触らせるなよ」

「はい」

悟さんの唇が、軽く唇に触れてきた。

「目は瞑る」

そう言って、目を隠された。その手は大きく優しかった。知識だけはあるから大丈夫だよ。相手は悟さんだ。怖くない。そう思うと、安心して目を瞑った。

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