可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 20

翌朝、悟さんの声で起こされた。

「ほら起きろ」

「ん……、何時?」

「7時だ」

「んー、ねみゅ……」

「起きないと朝からエッチするぞ」

「ふわーい」

布団を捲り身体を起こす。なんかお尻が変だ。ベッドから下りようとしたら、そのまま床に落ちてしまった。ゴンッという音を聞いた悟は慌ててベッドに近寄ったら、泣きべそをかいてる優介がお尻を擦っていた。

「痛いよー」

「悪い、気が付かなかった」

「うー……」

その泣き顔が可愛いと思ってしまった悟は言っていた。

「ご飯は持ってくるから待ってろ」

そう言いながらベッドに横たわせてくれた。

暫らく待ってると、悟さんは「朝ご飯だよ」とワゴンを押して入ってきた。ボールが置かれてあるのが不思議だった。

「悟さん、これは何?」

「ホットタオルの湯」

何をするのだろうと思ったら、その中にタオルが入ってたみたいだ。そのタオルを手にした悟さんの行動が読めたので「自分でやる」と言って、自分で顔を拭いた。うがいもしたいが仕方ない。

そう思っていたら、サタオルさんは「うがいセット持ってきた」と言って、懐かしい物を持って来てくれた。まだ2年生だった頃、滅多に病気をしない俺が熱を出して1週間寝込んだ時に悟さんが作ってくれた物だ。

コップに水を注ぎ入れ、口の中に入れて濯ぐと、不透明なビーカーの口に取り付けてある容器に口の中の水を入れる。

それを何回か繰り返すとさっぱりした。

「ありがとう。すっきりした」

「それじゃ、食べよう」

しかし、量が多くないか。

「悟さん、なんか多くない?」

「こっちは、優介の昼飯だ」

「え?」

「夕食は食べに行けると思うが、昼は無理だろうと思ってね」

「ありがとう」

中を見ると、お握りが5つと唐揚げと果物が入っている。昼ご飯が、これかあ。なんだか嬉しいな。

悟さんと2人きりの食事タイム。嬉しくてニコニコとしているのが自分でも分かる。でも、悟さんは仕事に行くので食べ終わったら着替えている。カッコイイよなあ。

「悟さん」

「何だ?」

こっちを振り向いてくれたのが嬉しかった。

「スーツ、カッコイイね」

「ありがと」

照れた顔が見れて嬉しいなと思うと言っていた。

「気を付けて行ってらっしゃい」

悟さんの手が頭の上に置かれた。

「行ってきます」

その言葉と共にキスされた。俺の顔は真っ赤になってる事だろう。

「お前は、ここでゆっくりしてろ」

「う、うん……。お邪魔させてもらいます」

それじゃ、と言って悟さんは部屋から出て仕事に行った。

えへ、今日は悟さんの部屋でゆっくり出来るのか。嬉しいな、ありがとう悟さん。あ、トイレ借りよう。トイレに着くまで時間掛かったが、それでも部屋内にあるので安心だ。もちろん座って用を足したのは言うまでもない。

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