可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 21 ※悟視点※

ここに来た当初とは違い、男の身体へと変わってきている優介の身体。

可愛くて可愛くて仕方なかった。だけど小学2年生の時、風邪を引いて熱を出して寝込んでからは自分の中の何かが変わった。何なのかは分からないが、はっきりと自覚したのは5年生になってからだ。

カツアゲだけでなく、階段の上から突き落とされ、あばら骨を折るほどの重体になった。だけど、護身術を習っていたので死に至る事はなく、安心したものだった。結局、退院したのは夏休みに入ってからだった。

あの連中を許すほど私は寛大ではない。それに、数人ほどいた仲の良かった友人は違うクラスになったみたいで、優介は1ヶ月余りを1人で過ごしていたみたいだった。

私立に転入してからは活発になったが、もしかしてカラ元気なのではと不安だった。

担任は「元気にしてるし、虐めにも遭ってない」と言ってくれるが信じられなくて、何回、学校に行って様子を見ていた事か。もちろん、部活の様子をも見ていた。だけど、文化祭の時、女装していた先輩野郎を殴りたかったが我慢させられた。あんの野郎、私の優介に抱き付きやがって。

優介は私のものだ。誰にもやらない。

昨夜はキスだけでなく、中に指を突っ込んでいただけだった。今は、まだ駄目だ。せめて中学校を卒業して高校生になるまで我慢だな。犯罪者になりたくないからな。

バッシ―ンッ!!と頭が割れるように痛い。

「ってぇな……」

複数の声が聞こえてきた。

「珍しいことがあるもんだ」

「気配を感じなかったって?」

「おら、いつまでボケッとしてるんだ」

頭上に手をやるとタンコブが出来ているのが分かる。くそぉ、学生時代だってボスにも叩かれた事が無かったのに。いや、ボスは睨んでくるか口攻撃をしてくるかのどちらかだったのだけど。なんて思ってたら二発目が来るのが分かった。微かに身体を動かす。

山口家のお抱え主治医である安藤先生はデスクを叩いたみたいで痛くて叫んでいた。

「ってー……」

右手をひらひらと振っているのは、凄く痛かったみたいだ。

「うー……、避けない様にして」

「痛いのは嫌です」

そう言うと、医局リーダーが声を掛けてきた。

「仕事しようね、悟様」

「すみません」

安藤先生、さっきは思いっきり頭を叩いてくれたな。まあ、悪いのは自分だ。頭を切り替えて仕事しよう。

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