可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 47

翌朝、目が覚めると朝食の用意をして食べ終わる。さあ、後は反省会をしたら解散だ。そう思っていたら、先生から言われてしまった。

「1年生、あとで柔道な」

その言葉に、1年生は驚き何も言えなかった。

「2年生と3年生も、連帯責任だからな」

「え、何それっ」

あろう事か、先生は爆弾発言をしてきた。

「俺が荒川に説教してる間に、お前等とっととテントに入って寝ただろ。そのお仕置きだ」

「ええー」

「それで柔道?」

「もしかして、柔道の顧問でもあるとか?」

その言葉に、「そうだ」と即答され、1年生は帰る支度を早めた。

だが、逃げる事は出来ず4人共投げ飛ばされてしまい、3人は受け身を取って倒れるしかなかった。唯一倒れなかった優介は護身術をしていたせいか、避ける事が出来たのだ。

だけど、連続で足を引っ掛けられ倒されてしまった。

「うわっ」

「20連打1本っ」

そう言うと、身体に覆い被さってくる。それが恥ずかしい優介はボソッと呟いていた。

「なんか、恥ずかしい……」

「なんで1年相手に避けられなきゃならないんだ。1本取るのが、こんなにも難しいだなんて」

「先生、息上がってますよ」

「お前が、ちょこまかと動くからだろ。柔道はデンッと、どっしりとするもんだ」

「護身術です」

「あぁ、お前は護身術してるのか」

「中学に入ると同時に辞めましたけどね」

「なるほどね」

「先生、いい加減におりて下さい」

疲れたと言って、先生は大の字になって寝っ転がった。その横になった先生に向かって優介は這って行くと、腹に頭を乗せてやる。それを見た残り3人も同様にして先生の腹に頭を乗せる。

そんな1年生の姿に笑った2年生と3年生も、先生の腹や腕に頭を乗せた。だが、部長である荒川は先生の下半身に覆い被さる様に寝っ転がる。

「こら、人の腹や腕を枕にするんじゃないっ」

「良いじゃないですか」

「汚れたくないもん」

その言葉に皆が頷く。

「それに、荒川。お前は、何処に」

「良いじゃないですか。空いてる所はここだけだったんだから」

「だからって……」

荒川の背には、徐々に固くなってきてる恋人のモノが当たってくる。そのモノを押し潰すかのように背を預ける。

「あーらーかーわー」

恋人の声を無視して、荒川は部長然として言ってやる。

「それでは、今回の反省会をします。一言ずつどうぞ」

「お前等、下りろっ」

その言葉に部員は口々に言っていた。

「腹芸で落としてみては?」

「まあ、部長が下を押さえてるから無理だろ」

「先生の腹って固いねえ」

「筋肉の塊かもな」

「前腕も固いぞ」

「いいクッションだよな」

「このデコって平なんだな。俺の頭が余裕に乗っかる」

「幸ちゃん、良い身体してるよなあ」

「幸雄ちゃん、反省会終わるまで、このままでな」

そんな言葉に、顧問は口しか動かせることは出来なかった。

「おーまーえーらー」

「先生煩いですよ。反省会が進みません」

「なら、お前が最初に下りろっ」

「嫌です」

「荒川っ」

「それ以上煩くすると、口を封じますよ」

「出来るわけないだろっ」

「出来ますよぉ」

その口調に、先生は気が付いた。(こいつはヤル。皆の前でキスする気だな。その手を離せ。俺のを揉み込むなっ)

何も返してこない相手に物足りなさを感じた荒川だが、(まあ仕方ない。静かになったんだ、もう少し心の中で抗ってもらおうかな)と、そう思い、手の動きを激しくしてやる。身体が揺れてる。感じてるのは分かっている。

「く、そったれ……」

「何ですかあ? それじゃ、改めて仕切り直して。反省会やります。一言ずつどうぞ」

そんな長閑な風景を自分の部屋から見ていた徹は笑っていた。

「家庭科部って面白い」

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