可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 48 R13

やっと身軽になれた顧問は、まだ自分の身体に寝っ転がっている部長に言っていた。

「荒川、下りろ」

「嫌です」

「荒川」

「誰も居なくなったんだ」

「重いんだよ」

「それは、皆の頭が乗っかっていたからでしょ」

「お前が重いんだよ」

「静かに」

「下りっ……」

煩いのでキスしてやる。口を離すと顔を赤くしていた。

「恥ずかし……。やっぱり他所の人の所では無理ですね」

「お前は昨夜からしてきてるだろ」

荒川は恋人の腹から下りると荷物を手にした。

「幸雄さん」

「先に学校だ」

その言葉に溜息を吐いていた。

「なんだ、部長も付いてくるのかあ」

「どうせ、校長に報告するのでしょう」

「まあな」

「俺も、明日より今日の内に言う方が良い」

「で、一緒に帰るつもりか」

「良いじゃない。我慢してるんだから」

「はいはい、分かったよ」

校長に話し終わったのは昼前だった。帰宅途中に買物をした2人は、そのまま荒川が一人暮らししているマンションに入って行く。

恋人である家庭科部の顧問教師である幸雄は、目の前にあるマンションに住んでいるので方向が同じという言い訳が通じるのだ。

部長である荒川は、自分の部屋に上がると恋人を招き入れ、風呂場に直行した。なにしろ、一泊二日のお泊り部活では風呂は入らないから、帰ってからの入浴になる。

「幸雄さん」

「待て。先に洗ってからだ」

「はいはい」

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