可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 49 チューは罰ゲーム?

翌日の月曜、徹に声を掛けられた。

「おはよ、優介」

「お、おはよ」

だが、岡崎は動かない。

「あの……」

岡崎君は俺の両頬を挟み持ち上げてくる。しかも場所は教室なのに、なんなの、これ。戸惑っている俺の顔を覗き込むように口を開いてくる。

「ねえ、優介。俺の名前、覚えてるよね?」

「な、名前?」

「うん、名前言ったよね」

名前って、いつ……と思っていたら、昨日の一泊二日の部活を思い出した。

「優介?」

「うん、覚えてるよ」

「ほんとに?」

「もちろん、本当だよ」

「なら名前で呼んで」

「何で?」

すると、こう言ってきた。

「言わないと、このままチューするぞ」

「嫌だっ」

「なら言って」

「と、と……る」

「聞こえない」

もう、何の罰ゲームだよ。いい加減にしてくれないかな。心の声が出ていた。

「いい加減にしろよな。このバカ徹」

すると笑い出されてしまった。だけど自由になった俺は自分の席へと向かい座った。笑いながら俺の側に寄ってきた徹は、一つ前の席に後ろ向きに座った。

「本当に、優介ってギャップ凄いよねえ」

「ありがと」

その後、「名前呼んで」攻撃されてきたが、3日も経つと夏休みだ。あと3日間、この攻撃を我慢すれば済む話だ。

夏休みの予定は9月にある文化祭の準備をする為、色々なグッズを手作りする。昼ご飯を持参しての登校になる。

食事のレパートリーも増えたので、お昼ご飯は悟さんと同じメニュー。それが嬉しかったのだ。だから、夏休みも張り切って弁当を作っていた。

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