可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 52 高等部の文化祭にて

高等部に入って、直ぐに迎えた文化祭。初等部、中等部とは違い、スケールが違う。当然の事だが、卒業生だけでなく近隣の大学や高校からも来る。

悟さんと昌平さんもお洒落な服装で見に来てくれた。悟さんにとって、この高等部は卒業した学校なので愛着あるのかな。でも、この2人と肩を並べて歩こうとは思わない。だって、「昌平様」とか「悟様」と声を掛けられ、話をしてるからだ。

この2人と居ると、中々進まないので先に行こう。悟さんのiPhoneにメッセージを送り、追い越して行く。

クレープを売っている教室があり、そこの列に並ぶ。肩を叩かれ声を掛けられた。

「優介、一人?」

振り返ると徹が居た。

「連れはいるけど、まだ合流してないんだ」

「それなら、少しでも良いから一緒にどうかな?」

「ここでクレープ買うから、一緒にどう?」

「クレープか、美味そうだな」

徹と2人で並んでいた。

「なあ、その連れって、もしかして彼女とか?」

「へ……、いやいや違うよ。そんなんじゃない」

「優介って可愛いからなあ」

「徹こそ、どうなんだよ」

「俺? それこそ、あり得ない」

「どうだか……、徹君ってモテるからねえ」

「皆が見てるのは外見だけだ」

その時、声が聞こえてきた。

「あ、優ちゃん見っけ」

「昌平さん、悟さんは?」

「昼飯用に買ってくるって言ってた」

「それじゃ、デザート買いますね」

「何を?」

「クレープですよ。後1人待てば、順番来ます」

「やったっ」

昌平さんは喜んでガッツポーズをしている。

「次の方、どうぞ」

「あ、はい」

暫らく待ってるとクレープは焼き上がり、教室から出るとタイミングよく悟さんと目が合った。

「遅くなった」

「デザートにクレープ買いましたよ」

「嬉しいな」

突然、突拍子もない声が聞こえてきた。

「え、優介っ」

「徹、いきなり大声を出してどうしたの?」

「待ち人って、この人達の事?」

「そうだよ」

悟さんが声を掛けてくれる。

「優介、この子は?」

「あ、紹介するね」

徹は焦っているのか、そんな口調で言ってくる。

「え、紹介って俺を?」

「当たり前でしょ。他に誰が居るの?」

俺は昌平さんと悟さんに紹介していた。

「昌平さん、悟さん。彼は俺の友達で、徹って言うんだ」

「お、岡崎徹と申します」

昌平さんが先に声を掛けてくる。

「そう、岡崎徹君。優ちゃんと友達になってくれてありがとう。仲良くしてやってね」

「嬉しい言葉を掛けて頂き、ありがとうございます」

次は悟さんだ。

「名前呼びね。そこまで親しいという事か」

「はい。親しくさせて貰ってます」

そこで気が付いた俺は、徹に聞いていた。

「徹は、この2人の事」

「知ってるよ。この人達を知らない人って居ないから」

「そうなの? 昌平さんと悟さんって有名人なの?」

悟さんは聞いてくる。

「優介、座る所はない?」

「もう少し歩いたらありますよ」

昌平さんの嬉しそうな声が聞こえてくる。

「優ちゃんの買ってくれたクレープって、何味なんだろう」

徹に手を振り、言っていた。

「徹、またね」

「うん、また」

昌平様と悟様も振り返ってにこやかに会釈してくれるので、徹も会釈を返す。

「お邪魔しました。ごゆっくりどうぞ」

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