可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 56 初めての。。。

悟さんに担ぎ上げられたまま離れに戻ってくると、そのまま寝室に連れて行かれた。

「優介、暴れるな」

「暴れてないっ」

「暴れてるだろ。いい加減に人の背中を叩くの止めろ」

「だって、叩き加減が良いんだもの」

「ったく、こいつは」

「悟さんは俺の家の事を知っていたから、俺を好きになったの? だからエッチしてきたの? 何も知らなかった俺を手玉に取って騙して、自分の好きなように出来て良かったね。

俺は、何も知らずに勝手に悟さんを好きになって……、一緒に暮らせることが出来て本当に嬉しかったのに、1人で嬉しがってバカみたいだ」

ベッドに投げ飛ばされた。

「いてっ! 何、投げて」

「黙れっ」

いきなりの大声に驚いた。

「いいか、一度しか言わないからな。私はずっと知っていた。いくら相手が幼稚園児でも身上調査はする。その後、皆で話し合って受け入れたんだ。

ボスから頼まれたわけでは無い。私が、自分で思ったんだ。優介の側に居たいと。

最初は可愛い弟みたいだと思っていた。一緒に風呂に入っていたのをやめたのは、自分の思いがバレルと思ったからだ。

極めつけは、小学5年生の時。階段から突き落とされた、あの件だ。あれから手離したくない、もっと側にいたいと強く思った。それは義務とかではない。私は、お前が好きだからだ」

「嘘だ……」

「優介も知ってるだろ。私は後妻の子どもだと」

「後妻って」

「実の親であるスーザンと国際結婚した父は、産まれた子が黒髪の元気な男の子で、隆星が可愛がっていたから、手元に置きたかったと言っていた。

今では口が悪くなってるが、隆星は昔から変わらない。自分の思った事はズバッと言う」

「隆星さんの言葉は信じられる」

「優介。私は後妻の子どもで母親に捨てられたも同然な人間なんだ。高校生の時、自分の過去を知った時はグレたものだ。

だから昌平がボスをしていた暴走族”ショウ”に入ってバイクを走らせていたんだ。だけど、”ショウ”の皆が私を人間に戻してくれた。そんな私が、年の離れた若い男を手元に置いておきたいと、本気に好きになった。

優介は、どうして私にエッチされてるんだ? 嫌なら逃げる事が出来る筈だ」

その言葉に即答していた。

「悟さんが好きだから」

「好きだからエッチされてるのか?」

「そうだよ。俺は小学校の頃から悟さんしか見てない」

「昌平や隆星も好きなんだろ?」

「うん。昌平さんはお父さんみたいに優しかったり、一緒に居て楽になれるんだ。隆星さんは言葉はキツイ時があるけど、優しい。とっつきにくいけどカッコイイよね」

そこまで言った優介は黙った。次の言葉が来ない。間が空いた。その間が居た堪れなくなり、優介の言葉を促す。

「私は? 私は、どうなんだ……」

だけど、直ぐに返事はこない。不安がよぎる。

「優介。私はどうなんだ?」

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