可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 66 パーティー招待

大学を卒業してレストランの修行も2年目に入った優介は、招待状を貰った。それは、パースで催される祝賀パーティーのだった。

悟42歳、優介23歳の春、5月にパースへ行った。悟の父親である『御』も招待状を貰い、一緒に行ったのだ。

パーティー前日にパース入りした翌日。男性がほとんどだが、女性はここぞとばかりに鮮やかな色のドレスに身を包んでいる。

ステージが設置されて、そこで式を執り行う。日本、香港、シンガポール、ドイツからのゲストが主だ。同盟を結んだ病院の関係者も来ている。

そんなか、アナウンスが聞こえてくる。

「まもなく式が始まります。皆様、ステージ前に、お集りください」

そして、場内の明かりが消え、ステージにライトが当たった。最初にステージに上がったのは、司会役のエドワードだった。

「これより、式を執り行います。私は、エドワード・ジョンソン。ドンのバトラーです」

すると、5匹のドーベルマンに囲まれた友兄が、ステージに上がってきた。

ステージの中央には座り心地の良さそうなソファが置かれてある。そこにドンが座ると、5匹は、それぞれ動いた。

ドンの膝の上に1匹、足の前に2匹、ソファに上がりドンの左右に1匹ずつが。

エドワードが、それを見て「あの5匹は、勝手な事を……」と呟いてるのがマイクから聞こえてくる。そのバトラーはマイクを握り直し、言ってくる。

「ご紹介します。トモアキ・フクヤマ。このパースを発祥の地として、これから活躍していく、フクヤマ家のドンです」

一斉に、皆が拍手をする。

「それでは、ドンとなられた御方からメッセージをお願いします」

バトラーからマイクを手渡され座ったままで挨拶をしている。その言葉は英語だが、意味は分かる。

「立ち上がることが出来ないので、このままで失礼します。

トモアキ・フクヤマです。『ドン』と言われてますが、なりたての未熟者です。皆さんの力を借りて、これからやっていこうと思っております。

ここパースを含め、日本、香港、イタリア、シンガポール、ドイツ。という強力なタッグを組むことができ、大変嬉しく思っております。

今回を機に、お互いが仲良くして頂ければ幸いです。

これから、どの様な事が待ち受けてるいるのか分かりませんが、出来る限りの事はやっていこうと思っております。

そして、皆さんの力をお借りすることも出てくると思います。

その時は、よろしくお願い致します。 Thank you. 」

バトラーはマイクを受け取り一言。

「次に、皆様からメッセージをお願い致します」

一番始めに『御』がステージ前に出て喋り出した。その『御』も英語で返している。いや、意味は分かるから良いけどね。でも、他のゲストの方も英語でメッセージを言っていた。

バトラーが、締めの言葉を言う。

「皆様。ありがとうございます。これからも末永くお付き合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。これにて、式を終わらせていただきます。

それでは、皆様。別室に移って、楽しみましょう」

別室では、クリニックのシェフだけではなく、ドイツからオーストラリアに帰郷してきたシェフも混じって、豪勢なメニューが勢ぞろいしている。

日本料理、中華、イタリア料理、ドイツ料理等々。デザートも豊富だ。修行中の俺には裏方の仕事を見たいという気持ちも出てきた。

悟だけでなく、優介も目を輝かせて何を食べようかと嬉しそうに見ている。

「優介、好きに食べて良いぞ」

「それじゃ頂きまーす」

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