可愛いと言わないで

可愛いと言わないで 8

小中高と一貫の私立学校は、9月下旬に文化祭がある。3校とも同じ日に開催される。初日である金曜日は各学校での合唱に合奏。中日と最終日は一般開放ディとなり、部活やクラスでの催し物になる。

昌平さんから「僕」呼びは可愛いから止めて欲しいと言われ、頑張って「俺」呼びにした。

たまに、「僕」と言ってしまうが、そんな時は笑って誤魔化すと、可愛いーと昌平さんに言われて抱き付かれてしまい照れてしまう自分だった。

それは、中日である土曜日に起きた。先輩と2人で留守番している時、いきなり言われたのだ。

「優介君って可愛いね」

「は? な、何ですか、いきなり」

「たまに”僕”って言ってるよね。もう、胸がキュンとなって」

「先輩……」

「私、優介君の事、好きだよ」

「え?」

先輩は近寄ってくる。

「ちょ、ちょっと待って。先輩」

「違う。苗字で、いや名前で呼んで」

「いきなりどうしたのですか?」

先輩は接近してくるとズボンを触ってきた。しかも、ち……、ちん……を擦り擦りと、思わずその手を掴んでいた。

「いや、違うでしょ」

「優介君、可愛い」

「いや、先輩。それって女子に言う言葉ですよ」

「優介君のが欲しいの」

「どういう意味ですか?」

「言わないと分からないの? おバカさん」

微笑みながら言ってくる先輩は俺の手を掴み、自分のセーラー服の下に滑り込ませようとしてくる。

「え、待って、先輩っ」

いや違うでしょ。ってか、なんか変だよ。新手の虐めか。必死に抵抗したら、そのうちに溜息を吐いた先輩は諦めたのか手を放してくれた。安心したのが態度に出ていたみたいだ。

「なーに、その安心したっていう顔と安堵の溜息なんて吐いちゃって」

「え、い、いや、これは」

「もう、本当に優介君って可愛いんだからぁ」

そう言うと、今度は抱きしめられた。そりゃ、ハグはするよ。ハグをしあって頬に口づけあうが、こんなのは違う。

しかも先輩は身体を押し付けてきてるよね。

「せ、せんぱ」

「優介君……」

上目遣いで俺の顔を見てくる先輩は、なんか目がウルウルしてるようだ。

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