君は腐れ縁であり運命の人

君は腐れ縁であり運命の人 21 大学生

大学に入学したばかりの4月の、ある日。

友明は、龍三道場では合気道の師範をして指導しているのもあり、大学での教養科目である体育で、合気道を選んだ。

指導する教授は友明に言ってきた。

「君が生徒だと、私は指導する気はない。だから、する気はないかね?」

「私が、指導ですか?」

友明は、教授と大学の理事長達から話を受けて、学生達の了承が得るなら、とOKした。

体育の授業になると、学生が各々の得意分野で指導を受けようとする。それは、入学したての1年生から、医学部の6年生までだ。

教授から話を聞いた皆は、ジロッと友明を睨んでくる。友明の姿を見て納得する奴等も居たが、殆どが友明の事を知らない。その、知らない学生達が口を合わせて言ってくる。

「俺等は教授が指導するから、この合気道を取ったんだ。入学したてのひよっ子に、誰が指導を受けるもんか!」

「そうだ、そうだ。教授も、教授ですよ。どうして、あんな奴にやらすのですか?」

「なら、一度手合わせをお願いしようかな。新・指導者様。(ニヤ)」

「それも、そうだな。(ニヤニヤ)」

「誰が、弱い奴に教えを乞うものか!」

「たしかに、そうだよな。」

「覚悟しやがれっ!」

友明は、彼らの言い分も尤もだと思い、自分も言っていた。

「良いだろう。だが、喧嘩ではなく武術のみだ。」

「へっ、当然だっ」

だが、友明の力を知ってる奴等は乗ることはなくボヤいてる。

「この中に、あいつに勝てる奴が居るものか……」

「お前、あいつを知ってるのか?」

「知ってるよ。」

「どんなだ?」

「俺の通ってる道場で師範してる。」

「ほー! 道場で師範ね。澄ましやがって、この野郎っ!!」

友明の周りを、何十人もの男が囲む。それは、ガリから屈強とまでも見て取れる奴等だ。

「けっ、武術なら良いんだろ。」

だが、友明は一言だ。

「弱い奴ほど、口は達者と言うからな。」

「貴様っ!」

ブーイングばかりで埒が明かない。

ダンッ!!と、友明は道場の板の間を両脚で踏みしめた。

「腕に自信があるのなら、掛かってこいっ!」

「やっちまえっ!!」

「オーー!!」

合気道なのに、空手とか柔道とか少林寺など、他の武術も入り混じる。まるで、龍三先生の道場みたいだ。

友明は、確実に一発で倒していた。

医学部では人間の身体の弱点を最初に習うからだ。異種混合だが、こっちだって合気道だけではない。柔道もやってたが、少林寺もやっている。

まずは、この連中を納得させるのが一番だ。

そんな友明の様子を見ていた他の連中は、あっぱれ!という気持ちで見ていた。

「ほー、あいつは強いな。さすが、言うだけあって、出来る奴だな」

そんな道場に着いたばかりの遅刻した人間もいる。

「ぅん? あれ、友じゃん。あいつも、ここなのか……」

「友って言うのか、あいつ。」

「友明だよ、だから友。お前は誰だ?」

「村上洋一。入学したての、ピカピカの1年生だ。」

「なるほどね、頭の中も1年生か……」

「なんか言ったか? ところで、お前は誰だ、銀ピカ野郎。」

「豊。銀ピカなのはハーフだ。お前もハーフだろう、お喋り君。」

「まあ、お喋りとは、よく言われるけどな。日中のハーフだ。でも、よく分かったな。」

「まあね。」

そんな時、村上洋一は同じアパートに住んでいる一樹に声を掛けられる。

「ねえ、洋一。」

「なんだ、一樹。」

「彼、一人で大丈夫かな?」

「どうだろう。あ、銀ピカ君。友君だっけ、彼は強いの弱いの、どっち?」

「聞いてどうする。」

「助太刀しようかと。」

「見れば分かるだろ。怪我するぞ。」

「だとよ、一樹。」

「そうみたいだね。でも、彼は確実に当ててるね。」

「ああ、そうだな。ん、なんだ、あれ?」

「何が?」

誰かが、友明が倒した相手を引き摺って道場の隅に置いている。

「ああ、邪魔にならないように、ってか?」と、豊が。

「私も手伝おうかな。」と、一樹が。

「そうだな、あれぐらいなら手伝えるな。」と、洋一が。

30分ほど経つと終わったみたいだ。

友明の声が聞こえる。

「さあ、アップは終わった。ここからが本番だっ!」

「へ、今のがアップ?」

「凄いね。」

その時、いくつかの声が聞こえてきた。

「それなら、挑戦させてもらう!」

5人が、道場の真ん中に向かったが、すぐに5人はこっちに飛ばされてきた。

「さすがだわ。医学部1年の王偉強 (ワン・アンドリュー)。香港人だ。よろしく」

「くっそ……。少林寺なら負けないと思ったのに。同じく医学部1年の高瀬正孝」

「柔道の師範してるのに、柔道で負けるとは。同じく医学部1年の渡部優馬」

「得意の手刀で負けるとはな……。同じく医学部1年の山口悟」

そして、一番最初にぶっ倒れたのだろうと思える一人が這い出てきた。

「いやー、強い強い。この私が負けるとはね。医学部1年の小早川貴匡だ。よろしく」

そして、洋一と一樹も自己紹介した。

「医学部1年の村上洋一。よろしくね。」

「医学部1年の早瀬一樹です。君、強いね。」

そして、豊も。

「よっ! 友も、ここだとはね。やはり、私達は出会う為に生まれてきたんだね。」

そして、見た目の良いイケメン野郎が声を掛けてきた。

「何々、医学部だけで集まるの? 楽しそう。私も同じ医学部で、大久保潤也。君は?」

友明は全員を無視しようと思ったが、豊が居るのを見ると無視は出来ないだろうなと思い、溜息を吐くと仕方なく口を開いた。

「福山友明。それ以上は、そこの銀ピカハーフに聞いてくれ。」

「ふふん♪ 腐れ縁ってやつだな。それよりも、いい加減に名前で呼んでほしいな。」

「詳しい事は、そこに居る銀髪碧眼の長身の美男子に聞くんだな。」

「うん♪ ふぇっ! な、なにそれ、珍しく長い呼び名になってるじゃん。ねー、ともぉ。そこまで言うのだったら名前で呼んでよ~」

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