君は腐れ縁であり運命の人

君は腐れ縁であり運命の人 29

ボス呼びされてる友明は、いい加減に嫌気がさしていた。だが、周りに居る皆は面白がってボス呼びをしているのは、見れば分かる。豊は、そんな友の心境が手に取る様に分かっていた。これが名前の「友」呼びなら良かっただろう。それが、本当にボスになってしまった。

学長がきっかけだった。ある日、学長は友をお供にして、どこかへ連れて行ってしまった。それから数日後、私は友の栄養学の勉強が終わるのを待っていた。そろそろ出てくる時間だなと思い、計算していた。

そんな時、執事から「外が煩いので」と言われ一緒に外に出て行くと、数人の男が私の憩いの場であるオアシスで誰かを殴ったり蹴ったりしているのが見える。

怒声を浴びせた。

「人の敷地内で何をしている!」

そいつ等はこっちを振り向くと直ぐに走り去ったが、その内の1人は一言だけ発して逃げようとしていた。

「いい気になるなよ、この澄まし野郎が!」

だが、執事の方が、足が早かった。

その一言だけ発した奴を背負い投げすると、もう一度背負い投げしていた。殴られたり蹴られたりしていた人を抱き起そうとして顔を覗くと、友だった。

「なんで……」

2度も背負い投げされ、その場でバタンキューとなった奴をビンタで正気に戻させ、そいつの胸倉を掴み凄んでやる。

「貴様、あいつに何をした?」

黙りこくっているので、もう一度凄んでやる。

「何をしたと言ってるんだっ!」

そいつは言ってきた。

「あいつが諒一様の隣に居るからだ。諒一様の隣に居るべき人は、竣太様だけだ!」

「諒一って誰だ?」

「言ってどうする?」

「そいつをぶん殴る。」

「へっ、できるもんか。」

すると、誰かの声が聞こえてくる。

「それでは諒一様。私はこれで。」

「ああ、竣太もお疲れさま。」

この声は学長の声だけど、もう一人は誰だろう。逃げられない様に胸倉を掴んだまま振り返る。

すると短大の門の前に学長と、顔を紅潮させてる若者が隣立っている。。

私に捕まえられてる奴は叫んでいる。

「竣太様、助けて下さいっ」

その声に振り向いた竣太は、こっちに向かってくる。学長も一緒に付いて来ようとしているので、突き出してやった。

竣太と呼ばれた人物は私に胸倉を掴まれてる人を見て誰なのか分かったらしく目を瞠っているが、私に声を掛けてきた。

「その手を離して貰おうか。」

「その前に、言う事はないのか?」

「何の事だ?」

「勝手に私の敷地内に踏み込んできて、数人がかりで1人の人間を殴ったり蹴ったりして。どういうつもりだ?」

「どこが敷地内だって?」

すると、学長が声を掛けてきた。

「あ、君の家だったのか。御免ね、悪かったよ。ほら、竣太も出よう。」

「諒一様? どうし」

「見てご覧。『私有地に付き、勝手な出入りは禁じる』って、書かれてあるよ。しかも、門が壊されている。チェーンが外れなかったので壊したみたいだね。」

竣太と呼ばれた人物はむすっとしているが、学長は竣太を促しているのを見ると思わず言っていた。

「学長、こいつは数人がかりで1人の人間を殴る蹴るの暴行を働いていた。私が声を掛けると、こいつ以外は直ぐに走り去った。」

「誰が暴行を受けたの?」

「ボスです。」

「ボスって、医学部の?」

「こいつは言ってましたよ。もう一回言ってみろ。」

だが、そいつは竣太様の睨み顔を見ると、俯いてしまって何も言わない。なるほど、この竣太様からの指示なのか。

すると、上から明かりが灯り窓の開く音が聞こえると、執事の声がしてきた。

「ゆた・旦那様、御友人が目を覚まされました。」

その言葉を耳にしたのか、竣太は自分の居る場所や目の前に居る私の正体が分かったのだろう。

「まさか、君は! あの福岡の、財閥……」

「出る所に出てやる。人の敷地内を荒らしてくれたのだからな。」

なにしろ、今立っている所はオアシスと呼んでいる程の場所だ。一面に花で埋められ、門にも品よく蔓が巻かれている。私と使用人達とで作り上げた花園だ。

それが、明かりを付けると、その蔓が千切られており、門が壊れているのが見える。しかも、私有地に付き云々の看板が蹴られ誰かの足跡が残っている。

花一面だった場所は荒らされ、オアシスではなくなっていた。しかも、噴水には花弁が浮かんでいる。

上から見ていたのだろう、執事が息まいて言ってくる。

「旦那様、そちらの噴水が止まってます!」

え、今、なんて言った? 噴水が止まっているって言ったのか。冗談じゃない、すると屋敷の中の水はどうなっているんだ。考えたくなくて指示を出していた。

「表の噴水はどうなってる? 屋敷中の水量を調べろっ! 一人に付き10ℓは確保するんだ。数人ほどこっちに呼んで噴水が動く様に指示出せ。」

「はいっ、直ぐに。」

すると友の声が聞こえてきた。

「やったのは、そいつ等だ。しっかりとセキュリティビデオに映ってるぞ。」

「分かった。怪我人はもう少し寝てろ。」

そのやり取りに違う声が割って入ってくる。

「君は……」

「ああ、まだ居たんですか? どうやら、貴方の手下は私の友人だけでなく、私の敷地や私の屋敷の一部を壊してくれた。しかも、水という供給をも壊してくれたようですね。物損及び修理代を請求します。連絡先を。」

使用人が専用路を使ってるのだろう、喚き声が聞こえてくる。

「旦那様、ドアが凹んでいて、ここからは通れません。すみません、ピー音鳴らしますっ」

そう叫ぶと3人が塀を乗り越え、夜間遅くにピー音を派手に鳴らしてくれた。まぁ、近くに民家が無いからまだ良かったよ。

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