君は腐れ縁であり運命の人

君は腐れ縁であり運命の人 30 告白

私の怪我人という言葉に反応したのだろう、学長は顔を上に向け言ってる。

「ボス、顔を見せて。殴られた所はどうなってるの?」

「見せなくて良い。お前は寝てろ。」

「私は君に言ってるわけではない。ボスに」

「ボスは受け身で顔を庇っていた。顔に痣とかあると、他の連中が煩いからな。」

「ああ、それもそうだな。」

しかし、ボスはオアシスに通じる部屋から出てこようとしているのか、気配を感じる。

「来るなって言ってるのに。」

「でも、見せないと学長も分からないだろう。」

「そうだけど……」

ボスの姿を見たのか、学長は目を見開き、竣太の方はにやついてる。

「ボス、その左腕は……」

「さっき、ここの執事さんから手当てをして貰いました。左腕は骨折の恐れがあると思うのでと言われたので、明日病院で診て貰います。」

「ああ、その様にしてくれ。でも、君は師範してるのに、どうして手を出さなかったの?」

「出せば、破門になりますので。」

「それもそうか。龍三は厳しいからな……」

友は骨折しているのか、この目の前に居る奴、絶対に許さないからな! 竣太の連絡先を聞きだし名刺を貰った私は、他の8人に連絡をした。

「ボスが暴行を受けた。場所は私の家だ。」

来たのは、マサだけだったが、サトルからは返事が着た。

『行きたいけど、今は無理。』

だから、サトルにお願いした。

「なら、明日はボスと私は休むから、後はよろしく。」

「なんで、お前まで?」

「私の屋敷を壊されたんだ。主である私が居なくてどうする? それに、ボスの暴行犯と私の屋敷を壊した奴等は同一人物だ。」

これで、8人の意識の違いが分かった。マサは飛んでくるが、他は来ない。それでも構わない。マサと私の2人で友を守る。

竣太の名刺には、フルネームと父親の名前も書かれている。ああ、あの竣太は議員の息子か。真田幸雄の一人息子ね。

直ぐに福岡に連絡した。遅い時間だったが、父は起きて電話に出てくれた。明日の朝一で、カメラで撮って送る事と言われ、友の事も伝えた。

父からの言葉は、これだけだった。

「お前の采配を信じるよ。もしかしたら、そっちを任すことになるかもしれないからな。それに友君の事は知らせない。知らせると、そっちに飛んで行って一波乱起こる気がするからな。」

責任重大だけど、この屋敷は私の家だ。それに、あの小母さんの事だ。たしかに一波乱置きそうかもな……。

鑑識の手が入る前に、自分でカメラを持ち写真を撮っていく。それを2枚ずつプリントアウトして一つは福岡へ送り、もう一つは自分で調べる用のだ。マサは苦笑している。

「ほんとは鑑識が来るまで待って欲しいのだけどな……」

「だって、鑑識は中々来ないぞ。」

「まあ、な……」

執事の声が聞こえてくる。

「豊様、御友人の分も、お食事の用意ができました。」

「ありがとう。で、水はどうなった?」

「表の方は大丈夫ですので、なんとかなりそうです。」

「分かった。マサ、朝食出来たから一緒に」

「良いのか?」

「良いよ、どうせ友も居るから。」

ダイニングに入ると、既に友は座って食べている。

「ほら、自分家の様に寛いでるだろ。」

「ほんとだ。」

マサはボスに声を掛けている。

「おはよ。災難だったね。」

「おはよ。ほんと災難だよ。でも、ここの飯は上手いぞ。」

「それなら、遠慮なく頂きます。」

ユタカは、マサの一言にツッコんでいた。

「それならって、どういう意味だよ。」

トーストサンドを頬張り珈琲を飲んだマサは嬉しそうだ。

「ふふ。ほんとだ、美味しい。それに珈琲も美味しい。幸せだぁ~」

「ありがとうございます。そう言って頂けると、私共も嬉しいです。」

マサがボスと一緒に病院に付いて行こうとしてる7時前、サトルがやって来た。

「なんでマサが居るんだ?」

「サトル、遅いよ。」

「ボス、その左腕は……」

「これから病院に行くから。後はよろしく。」

「マサが護衛か。」

「そうだ。ユタカー、サトルが来たぞ。」

ああ、サトルが来たって言ったのか。そのサトルはユタカの姿を見ると、走り寄ってくる。

「昨夜は悪かったな。」

「いや、良いよ。こっちこそ、遅い時間に悪かったよ。」

「しかし、酷いな……」

「ああ、だから2,3日ほど休む。」

「分かった。その間は任せとけ。」

「よろしく。」

そこで気が付いた。そうか、マサと2人ではない。サトルと、華やかなオーラを振り撒いているジュンヤにちょっかいを出され苦虫を潰した表情をしているタカがこっちに来てるのが視界に入る。私を入れて5人か。

友、少なくとも私は君の側に居るよ。そう思うと、もう一度声を聞きたくなってきたので、表に駆け寄る。後ろからは3人の走ってくる気配がする。

「友っ! 友明っ! これだけは言わせてくれ。友明、私は守るよ。私自身が選んだのは、ボスではない。福山友明という人間だ。だから、どんなにボス呼びしろ、と言われても公の場でしか言わない。私と一緒の時は名前呼びする。

だから、友。私を顎で使え。ボスとは、人間を顎で使うだけではなくデンッと椅子に座って、指示を出していく人物だ。

私は、あの竣太を許しはしない。私の敷地を荒らし屋敷を壊しただけでも許しはしないが、お前の、その姿を見てニヤついてた。あいつは、お前が邪魔なんだ。あいつの手下が言っていたよ。 『学長の隣に居るべき人物は、お前ではなく竣太だ』と。

だから、学長や理事長達を顎で使え。東響大学の学長を超えて、ボスになれっ! お前ならなれる。私が居るから、お前の行く手を塞ぐ奴等を蹴散らしてやる!」

言いたかった言葉は飲み込んだ。

(友、お前が好きだっ!)

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