君は腐れ縁であり運命の人

君は腐れ縁であり運命の人 31

今度はマサが言ってくる。

「ねえ、ボス。あのプライドの塊が息せき切って告白してるから、私も言わせて貰う。私には、誰でも良いという感覚はない。医学部に籍を置いてるが、卒業後は警察関連の仕事に就く。親が総監だからな、でも最初の数年は病院勤務なんだ。それは決まっている。だけど、それを覆すつもりはない。私を試すつもりだとは思うが、親の七光りではなく己の力を知りたいからだ。

ボスも、己の力を知りたいと思わないかい?

せっかく入学したのに、仲間からボス呼びされても好い気になってない。ならば、ユタカが言ったように皆を顎で使え。実際に大学のボスになると良い。私は賛成するよ。それに、君が生きてる限り、私は君の側に居たい。」

タカの口を手で塞いでジュンヤが先に言ってくる。

「そうだよ、ボス。ここに居ない連中には決して言わない。君が、そんな状態でいるなんて事はね。それに、昨夜メールを貰ったのだが、仕事が終わったのが深夜2時過ぎだったんだ。だから、今朝行こうと思って来たんだ。

ボスがボスらしくなろうとするのではなく、自然とボスらしくなる。その為には、無理矢理でも良いから皆を使え。無理に名前呼びしなくても良いから。

『おい、左。あそこから取ってこい』とか、『おい、謎。あれは出来たのか』とか、『おい、ハーフ。この間のはまだか?』とか。うーん……、『おい、ごっついの。あれはどした?』とか、で良いんだよ。

ってぇなー。何すんだよ、左に謎にハーフに、ごっついの。

それに、これだけは言わせて。君は無理をし過ぎの傾向がある。溜めるな。皆に振り分けて良いんだよ。その為に私達9人が居るんだ。こき使ってくれ。ああ、でもこの場に居ない連中を、もっとこき使ってやれば良い。

私は君が良いんだ。君が居るからこそ、仕事をしながらでも大学に来てるんだ。自分の夢を持ちながら、悩みながら進んでいけばいい。そして、私が君の疲れを癒してあげる。」

ジュンヤの手をほどき、タカも言ってくる。

「そうだよ、こいつらも言ってる様に、私達をこき使え。

武術をしてる奴なら破門になりたくない故の、受け身で受けていたのだろうけど。骨折まがいの事をされて黙ってる筋合いはない。ユタカが言っていた竣太か? そいつを裁判にかけろ。金銭的な事はユタカが出してくれる。

ってぇなー……。ハーフのくせに、力はハーフじゃないんだから……。

今回はハーフが助けてくれたみたいだが、私だって助けたいという思いがある。次、またあったら、私が守ってやる。この命に代えても、私の命を盾にしてでも守ってやる。

どうしてかは分かるだろう? 私は、君が好きなんだから。好きな人の側に居たいという気持ちは分かって欲しいな。」

サトルも言ってくる。

「ボス、良かったね。いつも1人で強がってるが、分かる奴には分かるんだよ。

私は、3人兄弟でも兄は2人とも前妻の子で、私1人だけが後妻の子なんだ。だから、虐められていた。

最初は、どうすればいいのか分からなかった。だけどね、ある時……。長男の方が、昌平が言ってきたんだ。

『サトル、お前は日本人なんだよ。母親はアメリカ人だけど、お前は日本人なんだ。澄まして取り繕うとしなくて良いんだ。バカになれ』って。

でも、私はバカになる事は出来ずに……、『バカにはなれない』と答えたら、次男の隆星が言ってきたんだ。『それなら、私達2人でお前をバカにさせてやる』って。

その時から、2人は私を虐める事は無くなり猫可愛がりをしてくるようになった。

私は、人間環境には恵まれてるなって思ってるんだ。ボスも、恵まれてると思うよ。それは、今ここに来てる奴等が答えだ。

ねえ、ボス。私は、昌平や隆星から言われた言葉を君に言ってあげる。『バカになって。なれないのなら、私達5人がボスをバカにさせるから』そして、私達を顎で扱き使って。」

その5人の言葉に、ボスは言い放っていた。

「お前等、バカか。」

「バカで上等。」

5人の声が重なり、マサが声を掛けてくる。

「病院に行くから。後でね。」

「行ってらっしゃい。」

「大丈夫だよ。ボスはテレ……、ってぇ……。なに人の頭を叩くんだ!」

「テレてないっ!って、言ってんだろっ」

その2人の後姿を見送りながら、4人は話してる。

「ぷっ。あれはテレてるな。」と、タカが。

「そうだね、それじゃ竣太だっけ?」と、サトルが。

「ああ、真田幸雄の一人息子の真田竣太だ。」と、ユタカが。

「へえ、真田議員の息子か。」と、ジュンヤが。

「知ってるのか?」と、ユタカが。

「都議員の真田は有名だよ。そう、あいつの子どもね。」と、サトルが。

「サトルの目、マジになってきてるよ。」と、ジュンヤが。

サトルの目はターゲットを狙いに入った。

「真田の野郎、誰を相手にしてるか。目にモノを見せてやる。」

そんなサトルにユタカは言ってくる。

「忘れるなよ。学長と竣太はお互い名前呼びしていたんだ。」

「ほー、学長とね。」

「しかも、竣太は、諒一様と言ってた。」

ジュンヤがユタカに聞いてくる。

「その竣太って、釣り目で恰幅が良くて服に金を掛ける整った顔をしている野郎だろう?」

「ああ。」

「なら、違う線から私はやる。」

「どんな線?」

「私の両親は2人ともエリート組でね。エリートが相手なら、エリートを使う。」

「ジュンヤ、私の方もエリートだけど。」

「サトルのエリート線は、最後の手だ。」

「ジュンヤ、言っておくが私の顔を見ると言ってきたんだ。『君は、あの福岡の財閥』ってな。」

「ああ、やっぱりか。なら、タカ。」

「なんだ?」

「お前、囮になれ。」

「囮って何の?」

「再来週の土曜日にあるパーティに私と行って貰う。だから、上質なスーツを着て、小ざっぱりにして来い。夜19時からだから18時頃に待ち合わせるか。」

サトルがとんでもない事を言ってきた。

「それなら、モデルの顔でタカを着飾ったらどうだ?」

「え? サトル、お前なんて事を、ジュ、ジュンヤの目が……」

サトルの言葉にキラキラと顔を輝かせているジュンヤは言ってくる。

「よし、それなら昼だ。再来週の土曜の12時にカフェ『Home』だ。逃げるなよ。」

「飯を食うだけなら良いぞ。」

だが、サトルは言ってくる。

「そこなら私の家からでも歩いて10分程で行ける。」

ジュンヤの顔は嬉しそうだ。

「サトルも来るか?」

「うーん……、パーティは苦手なんだけど。」

豊も会話に入る。

「家柄からして社交界からは逃げられないだろ。なんなら私も行こうかな。」

「ユタカまで?」

「あの竣太に目にモノを見せてやる。」

「うわっ、ユタカの目が怖い……」

ジュンヤが締めの言葉を言ってくれた。

「なら、4人で行くか。」

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