君は腐れ縁であり運命の人

君は腐れ縁であり運命の人 37

夢なら醒めないでくれ。友の寝顔に、友のブリーフ姿。そして、友に起こされ、友の手料理。昨夜から、私は幸せだ。どちらにしろ、昨日から大学は冬休みに入ってる。友の夜間の授業も、土曜と日曜は休みなのでゆっくりしている。久々に心から幸せ気分を満喫している。

だけど、友は昼前には家に戻る。なにやら、合気道の師範をしてるから、そのバイトの日だそうだ。思わず聞いていた。

「大学でも教えてるのに?」

「大学のはノーギャラだ。」

しかも、付け足してくれる。

「それに、毎年4月には納得させる為に全学年対象に相手をしないといけないんだからな。大変だよ。」

「あの教授は手抜きなのかな?」

「私のバイトしている道場で一緒なんだよ。だから知ってる。」

「あー、なるほどね。」

「でも、ストレス発散出来るから、まだ良いけどな。」

「学生達が可哀想だ。」

相手するか、と聞かれたが断った。私が本気を出すと、友を殺してしまう。だが、友はちょっかいを出してくるので、私は本気にならざるを得なかった。

友を殺してしまう以前の問題だった。この私が負かされる羽目になるとは思いもしなかったので、思わず言っていた。

「強いねー、さすが師範だわ。」

「寝起きだったし、手を抜いただろ?」

「いや、本気だったんだけど。」

「まあ良いや、アップは済んだ。じゃ、行ってくるわ。またなっ。」

そう言うと元気に家に帰って行った。え、今のがアップ? どれほど元気なんだよ。こちとら、はぁはぁ……と息が上がってるのに。

でも、嬉しかった。一緒に夜を過ごし、友の手料理を食べることができ、一緒に組んだ。まさか、私の方が負けるとは思いもしなかったが。次があれば、今度は負けない。

あの足捌きは見事だったな。合気道と少林寺で攻撃してくるから、私も合気道と少林寺で応戦していたのだが、手刀を使う羽目にもなったが当たらなかったのは何でなのだろう。セキュリティルームに行って、今の友の戦いを研究しよう。

そして、クリスマスの日。今夜は誰でも参加可能なパーティーなので、友に誘いを掛けると行くと即答だった。弟は大学の仲間と泊りで、帰ってくるのは1週間後の年明けで、暇してたらしい。略礼で十分だと言うと、友は大荷物を持って私の家にやって来た。

「友、その荷物は?」

「1週間も1人なんだよ。バイトも1週間休みだし。お前も暇なんだろ、だから寝させて?」

首を傾げておねだりされてしまった。その言葉と仕草に、思わず噴いて手で口を覆ってしまった。 (友、可愛いっ)

「なんだよ、今のは?」

「いや、驚いて……」

「ゲストルームで良いから。」

はいはい、と言ってゲストルームに案内すると、執事はベッドメイキング中だ。私に気が付いたのだろう、執事は言ってくる。

「豊様、御友人のお部屋の用意をしていますので、もうしばし、お待ちくださいませ。」

「もしかして、既に?」

「そのお荷物を見れば分かります。」

ああ、そういう意味ね。同じ部屋でも良いのだけど、でも1週間も居るのか。嬉しいな。

その後、友は略礼装に着替えるとコートのボタンは外している。その略礼装は、この間の正装とは違いカラーの上下だ。上品な赤紫を暗めにした上下に襟元は黒地にラメが散りばめられ、インシャツは薄めのブルー。リボンタイに、胸ポケットにはインシャツと同じブルーのチーフ。

「もしかして、それも芸能人用?」

「そうだよ。」

「へー、良く似合ってる。」

すると照れてる。非常にレアな表情だ。

「お前もな。」

そう言われ、私も照れてしまいサンキュと返した。ちなみに、私の略礼装は暗めなブルーの上下にインシャツは薄めの赤紫。リボンタイに、胸ポケットにはインシャツと同じ色のチーフだ。

まるで友と対みたいだ。

車が寄せられ、友と一緒に乗り込み目的地の家に向かった。私はデート気分でうきうきとしていた。これは神様から頂いた時間だと、そう思っていた。目的地に着くと、華やかな色やカラフルな色のドレスを身に纏った女性達や、いかにもナンパが目的な男性達が大勢居る。もちろん、そうでない人達も居る。私や友も後者の方だ。

主に挨拶をした後、2人で冬休みの事、これからの事等々の話をしていた。

すると煌びやかな一団が登場してきたので、思わず、そっちに目をやると美形揃いだ。その内の、ある1人に釘付けられた。

明るめのノーコンの地にストライプが入ってる上下にインシャツは薄めのノーコン。タイもノーコンでチェーンを斜め模様みたく緩く巻いては、胸ポケットは銀で縁取られてる薄めのノーコンのチーフ。ノーコン一色だけど、チェーンとチーフの銀がノーコンの嫌味さを感じさせない。一見シックに見えるが華やかだ。

私の視線に気が付いたのか、そいつはこっちを一瞥してくる。そいつは、こっちを向いて投げキッスをしてくるので、側に居る友は呟いてる。

「気障野郎だな。」

「友、それ本人に言っちゃ駄目だよ。」

「だって、ノーコン野郎は、ノーコン一色だもん。」

「でも、お洒落だと思うな。」

暫らく経つと、そのノーコン野郎は迷わず私達の方に来た。

「そこで2人揃って何やってるの?」

その声を聞いて驚いたのは言うまでもない。

「え、この気障野郎って」とは、友。

「ジュンヤ?」と、私は驚いていた。

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