君は腐れ縁であり運命の人

君は腐れ縁であり運命の人 38

そのジュンヤは睨んで言ってくる。

「誰が気障野郎だって?」

「私じゃない、ボスだっ」

ボスは、本人に向かって言い放つし。本人には言うなよってさっき言ったばかりだろう。

「ノーコン一色だから気障。」

「ボスッ!っていうか、なに2人揃って対なんだ?」

「そうなんだよね。私も驚いてボスに対だねーって、言ってたんだ。」

私はジュンヤに聞いてみた。

「それよりも、あの集団って……」

「ああ、同じモデル仲間なんだ。」

「なるほど、それで美形揃いなんだな。」

そう言うと、ジュンヤは、にへら~として応じてくる。

「でしょ? 私も美形だと、やっと認識してくれたんだ? 嬉しいな。」

「いや、あの連中が」

ジュンヤが嬉しそうにしてるので、それ以上の事は言わなかった。その時、声が掛かってきた。

「ジュンヤ、何してるんだ?」

「ああ、同じ学部のと会って話をしてるんだ。どうして居るのかなと思ってね。」

「へー、ジュンヤと同じ学部って、医学部?」

「どれどれ……」

「おー! 銀髪に、黒髪」

「銀髪さん、それは地毛?」

「それに、こっちの黒髪さんって可愛い!」

ジュンヤが、彼等の言葉を遮る。

「そこまでにしろよ。それ以上言ってみろ、こいつ等2人は強いぞ。」

でも、友は言っていた。

「もしかして、ロバート? いや違うか……、ロワ、ロ……、ロ-、ローレン……ツ?」

その友の言葉を聞きながら、ユタカは溜息を吐いていた。

(ったく、こいつは……。私の名前でさえ呼んでくれないのに、こいつの名前に関する記憶力の悪さは筋金入りだなあ。)

どれどれ……と言ってた人が、友をじっくりと見ている。暫らく経って、そいつは口を開いてきた。

「えっ! まさか、アラン?」

ジュンヤが口を挟んでくる。

「アランって誰の事?」

「モデルやる前は俳優やっててね、その時に一緒に撮影してたんだ。アランは役名。で、私の役名はローレンなんだ」

「えっ、一緒に撮影って……」

ジュンヤは驚いてるが、役名ローレンは無視して友と話をしている。

「その礼服は、あの時の衣装だよね。ところで、怪我はどうなったの?」

「てへっ、ばれちゃった……」

その言葉で、ユタカは思い出した。

「あ、あの時の! マンション近くで喧嘩を売られて、友が庇った相手?」

「その内の1人だけど」

たしか、もう少しで高3になろうとしてた時だ。あの時、2人を庇ったんだよな。世の中は広いようで狭いんだな。

そのモデル集団に囲まれて話をしていたら、声が掛けられた。

「ねえ、君。一緒に遊ばない?」

でも誰も応じようとはしない。すると、もう一度、声を掛けられた。

「ねえ、そこの君。一緒に話をしようよ。」

そう言って、友の手を握ってこようとする、そいつの手をユタカは払い除けた。

「痛いなぁ。日本人は黒髪が一番だよね。銀髪君、悪いが君は対象外なんだ。」

だが、ユタカは気が付いた。こいつは竣太だ。しかも酔っぱらっている。だから、私が分からないんだな。素面の時とは大違いだ。

同時に、ジュンヤも気が付いた。なんで、ここにニート君が居るんだ?ああ、誰でも参加可能なフリーパーティーだから来てるのか。既に酔っぱらってるし。

竣太は、三度言ってくる。

「ねえ、そこの黒髪の彼。一緒に話をしよ。」

酔っぱらっているので、誰に声を掛けてるのか分からないみたいだ。お前が手下を使って、こいつを骨折させようとしたくせに。未だに、あのニヤつき顔を忘れることが出来ない。あの時、裁判に掛けてやるつもりだったのに、こいつの父親は示談で終わらせた。こっちの言い値で、耳を揃えて金を出してきた。あっちの弁護士と共に、金を持ってきたほどだ。

だけど、本人の口からは一切の謝罪の言葉はなかった。父親から謝罪の言葉を貰ったが、本人の口から聞きたいと言うと、困っていた。あれから5ヶ月ほど経ったけど、こいつは忘れてるみたいだ。あっちの方が年上なんだけど、上から目線で言わせて貰う。

「おや、これは竣太君。夏以来ですね、私はずっと待ってましたよ。」

「へ? 何を待ってたって。私は、日本人以外は対象外なんだけど?」

「私への謝罪の言葉を。」

「何の謝罪だ? 私が何をしたって? それとも、私をこの場から追い払うつもりか?」

「何をしたか分かってない? そんな事はないでしょう。お宅は、自分の手下を使って私の敷地や家で何をしていた? 忘れたとは言わさないからな。」

竣太は、じーっと見てくる。が、酔っぱらっているせいか分からないみたいだ。

「何の事か分からないね。このガキ、大人を舐めるとどうなるか、その体に教えてやろうか!」

「そんな物、欲しくないね。」

視界に映ったスタッフに声を掛けた。

「ああ、君。水を貰えないか。」

すると、スタッフはグラスではなく水差しの方を差し出してきた。私のこれからやろうとしてる事が分かったのだろうか。グラスでも良かったのだけどね。 「グラスも」と言ってグラスも貰うと、それを竣太に見せる。

「竣太君、水をあげよう。飲むのと、頭から掛けられるのと、どちらが良い?」

すると、竣太は即答だった。

「両方。」

そう言って、竣太は水差しとグラスを私の手から奪い取ると、その2つをこっちに投げてくる。が、ジュンヤが瞬時にそれらを掴まえる。

ジュンヤはグラスに水を注ぐと、竣太に差し出す。

「こういう場所での乱暴は良くないよ。せっかくのクリスマスを駄目にする気かい? ほら、水だよ。それともぶっ掛けられたいか。」

竣太は差し出されたグラスの水を飲み切ると、空になったグラスをジュンヤに投げつける。だが、ジュンヤは直ぐに掴まえる。

「けっ。青一色の青いケツをした若造が何を言ってやがる。私を誰だと思ってる?」

すかさずジュンヤは答える。

「男好きで、自分の見染めた男をハーレムにして、そこに居座る王様。」

その場に居たスタッフも含め、皆は笑っているが口元を手で隠し堪えてる様子だ。竣太は、そいつらをも睨み言ってくる。

「お前の様なチャラ付いた奴が一番嫌いでなっ!」

「それは嬉しいな。どちらかと言うと、お宅の様な単細胞な人は好きだよ。」

「誰が単細胞だっ!」

そう叫ぶと、竣太は拳を握り殴ってこようとする。

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