君は腐れ縁であり運命の人

君は腐れ縁であり運命の人 46

担当医が友になってからは、カズキの顔に表情が現れ、数ヶ月後には筆談も卒業して声も取り戻すことができた。そして、隣のGPボスであるエドからオファーを掛けて貰い、オペドクターとしてパースに住み着いた。

私はセキュリティ関連のオファーを貰って、クリニックとGP及び、エドがボスをしている多国籍スペシャル病院での勤務となった。

友、また一緒に居られる。そう思っていたのだが、既に友にはガードが付いていた。体格の良い男だ。見ていれば分かる、この男は友を好いてる。

そして、友がクリニックのボスになった日に、そいつは堂々と友にキスをした。私だけではなく、他のスタッフ達の居る目の前で……。

だが、そいつは中々に手強そうだ。しかし、こっちはカズキとワンに私を含め3人だ。負ける事は無い。だが、そいつは軽く受け流すか、もしくは避けてくれる。

本気出しても負けてしまうのは何故なんだ?

しかも、私はアレを使ってるんだ! 友が相手の時は、アレは身から外していた。アレを付けたまま友の相手をすると、友を殺してしまう。そう思っていたから外していたのだ。たまに付けたままでする事はあっても負けたが、それは置いとこう。だけど、この男を相手にする時は外さない。

その内、大学で一緒だった仲間がここに移り住むようになった。

スズメとマサとタカの3人も加わった6人で、一斉にそいつを相手に本気で組んでるのに。スズメは、アレの使い方が未だに分かって無いみたいだ。戻して貰おうか、と思う事さえある。アレは自力で、なんとかスズメに力を貸そうとしているのに宝の持ち腐れだ。

ある時、その負ける理由が分かった。

その男もアレを持っている事に気が付いたからだ。どっちでも良いが、アレを持ってるが身には付けてない。しかも、コントロールしている。だからか、だから負けるのかっ。

くそったれっ!

そうなるとアレの力は使えないので、自力のみでやるしかない。その内、スズメはそいつを『クマ野郎』に名付けた。他にもクマヤロー、クマゴロー、日本熊、ロシア熊等々あるが、体格が良くロシア語に長けてるからロシア熊にしたらしいが、最近はクマゴローに定着した。

こんのクソ熊ヤロー。友は渡さないからな!

友は私のだ。

私の運命の人なんだっ!

何度でも言ってやる。友は、私にとっては腐れ縁でもあり、運命の人なんだからな。誰が、てめぇなんぞに渡すものかっ!

友、好きだよ。そろそろ気付いて欲しい、私の本気の気持ちに。

最近は友に触れてない。

だけど、10人がパースに集まった時、私はお前に泣きついた。そう、あの時、友がノーベル賞を獲得した時、10人が集まりデータを更新した。そのボスのコメントを見て、思わず泣いていた。ボスらしい言葉だった。

抱き付いて泣いていた。せめて、これ位は許されるだろう。許してくれと、願いながら。久々に、友の温もりを感じていたかった。

気持ちが収まり、私がボスに放った言葉はこれだった。嬉しさと、その反面、これはデータバンクだという気持ちで。

「これはデータバンクだ。メールとかチャットのつもりで返事を書くんじゃないっ」

だが、その時のボスの返事はこれだった。

「感動して泣いてるのかと思った。紛らわしい……」

うん、感動したよ。感動したけど、このまま保存するデータバンクに書いて欲しくなかったのも本音だ。だけど、気持ちとは裏腹に睨んでやった。

でも、どうしてもニヤついてしまったのは自分でも分かったし、恐らく友にもばれていただろう。

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