能登旅行2人旅

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能登半島2人旅

※悟視点※

”ほう、何をしているのかと思えば……”

この声は何だ。

”よくも吾を封じてくれたな”

封じるって何だ。俺は何も……。と、その時に気が付いた。

「まさか……」

”精一杯の力で蘇った。この姿は今宵限りの期限付きだ”

「あ……、どうやって……」

”貴様の射撃の腕は見事だったぞ。あれには舌をもまいた”

「サンクス。」

”ふ、吾のお気に入りのダガーをペンダントにしてるとはな。よく、それを見つけたな”

「探し物は得意でな。」

優介はガタガタと震えてるので、抱きしめてやる。

「さ、悟さん……、あれは……」

「大丈夫だよ。俺にしがみ付いてて。」

「でも、あの色って……」

「大丈夫。何があっても、お前だけは守る。」

「うん。信じてるよ。」

その言葉は俺にとってのエネルギー源だ。深呼吸して息を整える。

「何か用か?」

”貴様に贈り物してやろうと思ってな”

「何を?」

”受け取れ”

そう言うと、口を開けると火ではなく金粉を噴き出した。

「これは……」

”吾は火を噴く事はできぬ、まだ子どもの龍だ。何百年もの間、人間は吾の杯に色んな物を押し込み、火を噴く事はおろか眠る事しかできなかった。それを50年近く前、5人の小さい人間が吾を押し込め、尾を動かさない様にと杭を打ち付けてきた。吾の肉体は、まだ繋がれたままだ。これから何十年も何百年も掛けて滅び土に還るだろう”

「何故、それを私に……」

”何故だろうな。それは吾にも分からぬ。ただ、あの銃弾を受けて感激したのは確かだ”

「感激……」

”吾は、吾の生まれた天空に帰る。神の加護を受けた銃と身体を持つ者よ。その金の粒をダガーの柄の蓋を開けて入れておけ。そうすると最強の御守りになる”

「え、この金色の粉が……」

”人間とは寿命が短かい生き物だからな。その金粉を入るだけ入れて身に付けていろ。2人揃って気品が出てくるだろうよ。お前の気を吸ったお蔭で、吾の気質は和らいだ”

「え、それって……」

その龍は、こう答えてきた。

”他にも何人かの気も吸ったが、あれらは駄目だ。その代わり、お前は荒々しくもあり気品もある人間になった。お前なら上手くコントロールできるだろう。もう時間だ。じゃな”

そう言い残すと、フッと消えていった。

残ったのは、辺りに散らばった金粉だけ。

荒々しかった波は、龍が消えると共に静かになった。

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