能登旅行2人旅

18

能登半島2人旅

翌日、チェックアウトして向かった先は見附島。

自然が作り出した高さ約30mの無人島だ。その島は大きな軍艦のような形をしているので、別名「軍艦島」とも呼ばれている。

長崎にも軍艦島はあるが、それとは違うものだ。

ガイドブックのネーミングが良い。

「えんむすびーち」で結ばれた能登のロマンチックスポット。能登の恋路海岸から見附島までの海岸は「えんむすびーち」と呼ばれている。

「男同士だけど良いよね。」

「ああ、良いよ。」

大き目の踏み石が並べられており、その踏み石の道を渡る。平日なので、誰も居ない。

「うーん、気持ち良い。」

「リフレッシュに最高だな。」

「パワースポットだしね。」

「そうだな。」

往復して戻ってきた場所には”幸せの鐘”と書かれてある鐘があるので、迷わず鳴らそうと手を伸ばしたら、悟さんの手が触れてきた。

なので、一緒に鳴らした。

「”幸せの鐘”が鳴らせて嬉しい。本当に幸せだあ。」

「優介……」

「こんな気持ち、初めてだ。」

そう呟くと、額にゴツンと頭突きされた。

「さーとーるーさーんー」

すっごく痛かったというのもあり涙を流した後、誰も居ないしと言って、その場で抱きしめられた。

本当に意地悪なんだから。

その後、海沿いに車を走らせ輪島の曽々木海岸に車を止めて「せっぷんとんねる」に入ると、その場でもう一度抱きしめられる。

「”せっぷん”って、どういう意味か分かる?」

そう聞かれ、俺は返事をせずに背伸びして悟さんの顎に唇をあててやる。

悟さんは「仕方ない……」と苦笑して歩き出した。

俺は、ある事が思い浮かんできたので実行に移していた。

缶の飲み物を買って空にすると、綺麗目な空き缶を集めて車に繋ぎ付け、オープンカーの天井を開ける。

それで分かったのか、悟さんは苦笑なのか失笑なのか複雑そうな表情をしていたが、「まあ、誰も見てないし良いか……」と呟いて車を走らせてくれた。

カンカンカンカンッと缶が地面に着く度に音がする。

えへへ、なんか嬉しいな。

「優介は映画の見過ぎか?」

「違うよ。憧れていたんだ。」

「こういうのが?」

「うん。好きな人と結婚したら、オープンカーでなくても良いけど、缶をくっ付けてハッピーロードを走るんだ、ってね。」

日本で、しかも場所は能登だから良いか。これが東京だったら絶対に拒否してただろうなと思い、悟は運転していた。

が、あまりにもカンカンカンカンカンカンッと鳴るのが煩い。金沢に着く前に缶を捨ててやり天井も閉める。思わず口に出ていた。

「やっと静かになった。」

優介は笑いながら、こう返してくる。

「悟さんへの意地悪返し成功だね。」

そこから加賀を経由して敦賀から米原へ出て、名古屋に着く前に夕食を食べ、その日の宿泊先に着いたのは夜になっていた。

「んー……、しばらく運転したくない。」

「お疲れ様。」

着いたのは一軒家。

「悟さん、ここは何処?」

「昌平の別宅。」

「はあ?」

「気分よく貸してくれたぞ。」

「昌平さんって、本当に凄い。」

「あとは、福岡にもある。」

「福岡……」

「さすがに福岡まで運転しようとは思わないから。」

「そうだよね。」

にほんブログ村 ベンチャーブログ 女性起業家へ
にほんブログ村

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。