能登旅行2人旅

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能登半島2人旅

やっと意地悪が出来ると、そんな呟きが聞こえてきた。

「悟さん、先に朝食の買い出しに行きましょう。」

「そうだな。」

歩いて数分の所にコンビニがあるので、そこに入って行く。

最近は昌平さんのコンビニに慣れてるので、こういった普通のコンビニは懐かしい。全国チェーンの有名コンビニに足を入れると、サンドイッチ等が置かれてある。

「何を食べたいですか?」

「そうだなあ……、サンドイッチかな。」

「俺は菓子パンにする。」

「珈琲とか紅茶は、あの家に付いてるから。」

「そうなの? でも牛乳は無いよね、だから小さいのを買う。」

ふいに悟さんの声は硬くなった。

「優介、一つ幾らで卸してる?」

「え、何を?」

「昌平へ、シュークリームを卸してるだろ。」

「ああ、うん。10個単位で1,000円だよ。」

「なら1,500円に値上げろ。」

「どうして急に……」

「ここにシュークリームがある。」

「そりゃ、ここは有名な全国チェーンのコンビニですよ。シュークリームぐらい置いてるよ。」

「そういう意味では無い。お前のシュークリームが置かれてある。」

「え、そうなの?」

「誰にも真似できない刻印もしっかりと記されている。昌平の野郎、勝手な事しやがって……」

一つを手に取って見る。

「あ、ほんとだ。しっかりと記されている。」

「値上げしたら、どう出るかな。」

「そうか。だから最近は50個でなく80個の注文だったのか。」

「え、80?」

「昌平さんの所では130円で売ってるけど、ここは180円だ。」

「なるほど、昌平も儲けを気にしてるって事か。」

「でも値上げすると50個に戻るかも。」

「戻っても良い。もし本当に欲しいのなら、何か言ってくるだろう。」

名刺を渡す様にと言われ、そのコンビニの店員さんに名刺を渡す。

「この名前って、もしかして……。このシュークリームの製造者の人ですか?」

「お見知りおきを。」

「はい、こちらこそ宜しくお願いします。」

「こちらこそ、宜しくお願いします。」

今夜の宿として借りている昌平さんの別宅に戻ると、悟さんはなにやら難しそうな表情をしている。

これは、さっきの昌平さんのシュークリームのことかなと容易く想像できたので、静かにしていた。

気がついたときは布団の中にいて、悟さんも一緒に寝ていた。

「悟さん、おはようございます。」

「ん……」

「朝ですよ。」

「も、すこ、し……」

「それじゃ、俺ももう少し寝る。」

次に目が覚めたときは昼の12時になろうとしていた。

「げっ、悟さん、悟さん、お昼で……」

すると、隣に居るはずの姿はなかったから大声を出していた。

「悟さん、どこ?」

「こっちだ」

わりとハッキリと聞こえてきた。

「あれ、今どっから……」

「シャワーしてきた。」

「俺も浴びたい。」

「思いっきり目を覚ましてこい。」

「はーい!」

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