能登旅行2人旅

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能登半島2人旅

来てみると、ガレージが下りたままで、何やら貼り付けられている。

『道場主から皆へ

一斉メールでも知らせましたが、こちらにも書いて貼り付けます。

急用ができ、数日ほど留守にします。

申し訳ありませんが、ご了承ください。

道場主 山口 悟 』

それを見て、皆は口々に思いをのせていた。

「え、なにこれ?」

「そういえば、メールチェックしてなかったな。」

「えー、そんなぁ……」

「せめて、このガレージが上がれば中に……」

「そ、そうだ。俺たちが指導すれば……」

「ふんっ!」

3人が持ち上げようとするが、上がらない。

「ぐぅ……」

「あ、上がらない……」

「力果てる……」

しかも、次々と集まってくる。

「コンビニも閉まっているし……」

「あ、バイク屋も閉まっている。」

誰かが言ってくる。

「なあ、師匠級が3人いるんだから、今日は屋外練習すれば?」

「屋外?」

「それいい!」

その言葉に1人はウズウズとしているが、他の2人は動こうとしない。

「なあ、いつもは道着に着替えるけれど、今日はアトラクションとして服を着たままでしてみないか?」

「着たままとは?」

「ほら、映画とかでやってるだろ。服を着たままカンフーとか空手とか。」

「あー! やってるやってる。」

「なるほど、それは良いかも。」

「だろ。せっかく駐車場広いんだから使わないとな。」

「そうそう。急用で休みになってもメール見ずに来る奴いるし。」

「はいはーい。それ俺のことだ。」

「まあ、隣のコンビニも休みだし。」

「兄弟だから、あっちも同じ急用で休みなんだろ。」

その言葉に、残り2人は動き出した。

「よし、やるか。」

「壁とか天井などの邪魔なのないからやりやすいかも。」

「だな。」

師匠級3人が陣頭指揮を執り、にわか道場ができた。

そのにわか道場に、メールを見ることなくやってくる連中の多いこと。

週1の割合で指導しているが、こう人数が多いと嫌になってくる。が、明日は休みにしないとと思い、ガレージに付け足して貼り付けてやる。

「明日は休みで、明後日はするからな。」

「はーい!」

一日おきに開かれる屋外道場。

週末の土曜日は子どもも習いに来る日だ。

3人の師匠は元気いっぱいの子どもたちを相手にしていたら腰痛になったらしく動けなくなってしまった。

「くそぉ……」

「師匠、早く帰ってきて-」

「やっぱり、あの師匠が良いや……」

子どもは元気で遠慮というものがない。

「道場主の先生が良いー」

「代わりなら代わりらしく相手してよね。」

「強いから代わりしてるんでしょ?」

「まだ、お父ちゃんの方が良い。」

「とーる先生はどうしたの?」

「副師範の先生は?」

「ねえ、なんで寝てるの?」

文句たれの子どもを元気いっぱいに手懐ける”とーる先生”こと岡崎も来ないし、副師範の人は出張だしと、てんやわんやの屋外道場でしたとさ。

「お前ら……」

「いい加減に人の身体からおりろー」

「まだ、大人を相手する方が気が楽だっ」

いつもより2時間半早く屋外道場を終わらせ帰宅の途についた。30分でも遅くまでしていたら、2人が帰ってきて相手をしてくれただろうに。

屋外道場の最終日は17時を待たずに終わってしまった。

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