シェリーにヘルの言葉を伝えると睨まれた。
その顔で睨むのは止めてくれないかな。
「嘘つき、本当の事を言って」
ヘル、ごめん。私は、この顔には弱いんだ。
だから言っていた。
「サリーはガンなんだ」
「だから、本当の」
「ヘルが言ってたんだ。苦しみ死んでいくのを見るより、事故で死んでいく方が良いと」
「嘘ばっかり言って、こうなれば私が」
「シェリー」
「何よ。どきなさいよ、シスコン野郎っ」
シェリーを抱きしめていた。
(お姉様、ごめんなさい)と思いながら、シェリーをベッドに押し倒す。
「ちょ、マルク、何を」
「静かに」
「ちょっ、と」
お願いだシェリー、私にはヘルの気持ちが分かる。
愛する人を失うのは本当に辛いんだ。
未だに、お姉様の事を忘れられてない私が思ってるんだ。
父親の事を分かって欲しい。
「ん、マル……」
気になって聞いていた。
「どっち?」
「え、何?」
「カールと私、どっちが良い?」
「何でカール?」
「どっちが良いのか」
「それよりもカールって誰?」
その言葉に溜息が出ていた。
もう良い。このお転婆じゃじゃ馬め。
「え、ちょ、待って」
「待たない」
ベッドに横たわり、シェリーの着ているシャツのボタンを外していきながら唇で触れていく。
「あ、あ……」
「シェリー……」
シェリーの胸に腹にと唇で触れ時々、吸ってやる。
「マル……」
「シェリ……」
目が覚めると、シェリーは横で寝ている。
起こさない様に静かに身を離そうとしたのだが、何かに引っ掛かってるのか。離れないのは何故だ。くすくすと聞こえてくる。
「シェリー、起きてるのか」
「うん。しかし驚いたねえ」
「何がだ」
首を捻ってるとシェリーはとんでもない事を言ってきた。
「だってエッチする時は本性を表すって言うじゃない。なのにマルクは”シェリー”と、私の名前を口にしたのよ。何度も、何度もね」
「ん……?」
「お、覚えてないって顔だね。童貞かと思ってたんだけどなー」
「なっ、何を言って」
言ってる意味が分からない。
シェリーはキャラキャラと笑い飛ばしてくれる。
前言撤回。
こいつは昔と変わってない。
変わってるのは姿だけだ。
でも、何故か不思議と落ち着く。
それに、側に居るのが楽しく感じる。
これは、どういう事なのだろう。