甥っ子コンプレックス

43

エドに声を掛けていた。

「ところで、エド。ヒロの居場所を知らないか?」

 

エドはヒステリックになってる。

「今は、そんな気分じゃないっ!アランが、あの『ブラッディ』だったなんて。アランが殺人魔に、なってたなんて。なにより、まだ卒業してなかったなんて。アラン、アラン……」

パンッ!

煩いので、エドの頬を叩いていた。

「エドワード! そんなに取り乱してどうする? 言っておくが、お前は、まだエントリーから外れてないんだからな。しかも側付きにうつつを抜かして骨抜きにされおって。 パトリッシュの名折れだ。恥を知れっ!!」

エドワードは、今までの鬱憤を晴らす為か一気に言い返してきた。

「それを言うのなら、自分が再婚すれば済む話だろう! なにがエントリーだっ。とっとと再婚しろよ。 ……あぁ、そうか。こんな年寄を相手にしてくれる令嬢は1人もおらんよな」

その言葉に血管を浮立たせるほど、エドワードの言葉に怒っていた。

「エドワードッ!」

ウィルは、その2人を見て呟いてる。

「あの2人は、昔は仲良かったのにね……」

同様にフィルも呟く。

「ったく、ほんとだな。あの2人は犬猿の仲だよな」

でも、ジョンは違ってた。

「仲が良いほどケンカするって言うでしょ。それだよ」

ジョンの言葉が聞こえたのか、私とエドワードは2人して言葉を重ねた。

「 ジョンッ! 誰が、誰と仲が良いって? 私は、こいつが嫌いなんだっ!」

 

肩をすくめて、ジョンは言ってのける。

「ほらね」

「ほんと、仲が良いな」と、フィルが。

「さすが従兄弟。息がピッタリ合ってる」と、ウィルまでが言ってくる。

 

仕方ないので切り札を持ち出してやる。

「ウィルッ、ジョンッ! お前等の卒業を取り消してやるっ!」

そう言われたウィルとジョンは、2人して返してくる。

ウィルは、「私が何年前に卒業したか、覚えていらっしゃいますか?」と。

ジョンは、「私の愚痴を、またお聞きになりたいですか?」と。

それを聞き、グッ……と言葉に詰まってしまった。

 

ウィルが、ジョンの言葉に反応した。

「愚痴? ジョン、お前……マルク様に愚痴ったのか?」

「うん。最後だと思って…。言いたいのを、ずっと我慢してたんだ。それを爆発させた」

フィルが聞いてくる。

「なんて言ったんだ?」

ジョンは、逃げながら言った。

「それは教えない。ごめん、帰るねっ。レイ、帰りましょう」

 

当然だ、誰にも言うなよ。

忘れたい言葉の羅列だったんだからな。

そんな気持ちの時、ドイツから連絡が着た。

「何だ?」

『側付を全員、卒業させた。知らせたからな』

「何だとっ」

 

こうなると早く帰らないと。

しかし、何も手に入らない。

このままだとジョシュアの仇討ちも出来ない。

だけど、ただ一つ。

これだけは分かった。

一番のカギを握る人物が誰なのか。

そいつを連れて帰る。

二兎を追う者は一兎をも得ずと言う言葉があるが、ジョシュアを殺した犯人も分かった。

ただ、ヒロの居場所が分からない。

何処に居るんだ。

ヒロ、あれから会ってない。

会いたい。

会って話をして一緒に旅をしたい。

5回目の男2人旅の行先は、行き当たりばったりでも良いかな。

 

―――ヒロ、何処に居る。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。