同じ人を好きになったアイツと俺

翌日の朝食はホテルのモーニングを食べに行く。

食後は部屋でダラダラとテレビを見ていると呼び鈴が鳴る。誰だろうと思い出てみるとスーツをビシッと決めた真が立っていた。

「行ってくるから」

「行ってらっしゃい」

「俺は仕事だけど、お前」

「大丈夫だよ。俺も仕事する気で持ってきてるから」

「パソコンを?」

「いや、ノートだよ。パソコンには帰ってから打ち込む」

「相手になれないけど」

「大丈夫だよ。気をつけて行ってらっしゃい」

「晩飯、20時頃に」

「別に良いよ。コンビニで買うから」

はあっとため息をつかれ、途端に痛みが来た。

「話は最後まで聞けっ」

「いてぇ……」

頭をグーで叩かれてしまった。

うー……と、うなりながら叩かれた場所に手をやる。

「20時前にはホテルに帰り着くから、それまで待ってろ」

「でも、それって予定だろ」

真はキョトンとしているので言ってやる。

「予定は未定って言うだろ」

すると首を絞められた。

「お前は何を言っている」

「ギ……、ギブギブ」

やっと手が離れたので安心したら、こう言ってくる。

「夕べ、約束しただろ。それに、俺がお前をほったらかしにして食べるとでも言うのか」

「接待とかあるじゃん」

「大丈夫だよ。遅くとも19時には終わる」

「本当に?」

「俺が嘘ついたことあるか?」

「数え切れないほどドタキャンされたけど」

「大丈夫だって。今回は知らない土地だし、終わったらすぐ帰ってくるよ」

「分かった。気をつけてね」

そうかよ、知ってるとこなら午前様になるってことか。んっとに、兄貴の奴は。

サラリーマンやっている双子の兄の真は酒が弱いくせに、よく飲みに行く。ちょっとばかり早く生まれたからって兄貴風を吹かしてくれるんだ。

俺は小説家なので、どこに居ても仕事ができるからな。

さて、と。 それでは大浴場に行ってこよう。

んでもってネタ探しするんだ。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。