同じ人を好きになったアイツと俺

ホテルのロビーで手渡された紙には、こう書かれてある。

男女共に10時から24時までオープンしています。
女性は4F
男性は6F

タオル類は付いているので、手ぶらでどうぞ♪

お支払いはルームキーか、もしくは現金払いで。

10時5分前になると部屋を出てエレベーターで6Fで下りると、すぐに受付がある。

「いらっしゃいませ。マッサージもご利用でしょうか?」

「いえ、風呂だけです」

「かしこまりました。お支払いはいかがしましょうか?」

「ルームキーで」

そう言いルームキーを見せると、ナンバーを控えだす。

「承知いたしました。こちらにサインをどうぞ」

そう言われ、部屋番号を確認してサインをする。

「それでは、こちらがロッカーの鍵になります。靴入れも同じ番号になります。ごゆっくりどうぞ」

「はーい」

靴を靴入れに入れ、着替える為にロッカーに向かった。

ロッカールームの入り口にはタオル類とバスロープが設置されており、それらを手にして入っていく。

手早く服を脱ぎタオルを2枚手にして7Fにある風呂場を目指してロッカールームの奥にある階段を目指す。

階段を上りきるとドアがあり、そこから向こうは一面風呂場だ。

広いなあ。

サッシの引き戸をガラガラと開けると、右手にはシャワー。3歩進むと左手には水風呂。その水風呂の隣には大小の四角のジャグジーが並んでいる。

かけ湯をして手前に位置する小の方に浸かる。

小は大人1人で、ちょうどいいぐらいの大きさだ。でも、ゆったりとするなら大の方だなと思い直し、大の方に浸かる。

こちらは5人ぐらいでちょうどいいぐらいだ。

思わず声が出ていた。

「気持ちいい」

温泉だなんて初めてだ。

中学2年に行った修学旅行では旅館の風呂だったし。その年の12月には親が離婚して、俺たちは……と、いやいや思考がネガティブになりそうだ。

体感時計で10分ほど経っただろうか、今度は真ん中に位置する円形のジャグジーに向かう。座ると、水圧が背中のイボを押してくれる。

そろそろ体を洗おうと、洗い場に向かう。

手ぶらでと書かれてあるように、シャンプー、コンディショナー、ボディソープが置かれてあるので、遠慮無く使わせてもらう。

サウナに入るかどうかと迷ったが、先に露天風呂にしようと階段を上っていくと、扉があり、それを開けるとテラスがあった。

緑も茂り、木陰もあるので過ごしやすい。風も吹いていたので熱いと言うことも無く浸かっていた。

だけど、やはり風呂が好きで無い俺には苦痛かもと思い、今度はサウナに向かった。

階段を下りて、洗い場に向かう途中にサウナはあった。6畳ぐらいの大きさだろうか、所々にクッションが置かれてある。

そこに座ると、途端に汗がジワジワと噴き出てきた。

タオルで拭きながら熱さに我慢していたが、耐えきれずに出てしまった。

その足で6Fに下りるとロッカーからバスロープを取り出し羽織ると、お金を取り出し飲み物を買うため、飲食スペースへと向かう。

と言っても自動販売機なので食べ物もパン、チョコレートなどの駅の自動販売機でも買えるような物ばかりだ。

飲み物とチョコレートを買い窓際の席に座り、1本を飲みきると服に着替え部屋に戻った。

受付の人によると「半日ほど過ごされる方もいますよ」と教えてくれたが、悪いけど、俺的にはこれが限界だ。結局1時間40分居た計算になった。

ホテルの外に出ると中華店とパスタ店があり、その隣にはコンビニがある。夕食は、ここでもいいな。

そう思いながらコンビニに向かうと、念のため夕食用にパンを数個買う。なにしろドタキャンの常習犯だからな。

部屋に戻り昼食をすませ、カンヅメの準備だ。

部屋の机の上を片付けると、鞄からA4サイズのノートとシャープペンシル、スマホ、コンビニで買って帰った飲み物を並べ置いていく。

さあ、仕事するぞ!

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