同じ人を好きになったアイツと俺

「やられたら倍返しだ!」

いきなり、大声が聞こえてきた。

「え、なになに……」

何度も何度も、その言葉が聞こえてくる。

辺りを見回していたら、それはスマホから聞こえてくる。そういえばスマホに着信音として入れているのを思い出した。

机の上に置いているスマホを手に取りロックを外し画面を見ると、真からLINEが着ている。

”今、終わった。これから帰るから外で食べよ”

「あー……、そんな時間かあ」

本当に、どこにも寄らずに戻ってくるんだなと思い返事を打ち込んでやる。

「はいはい。”分かった。気をつけて帰ってきてね”っと」

すると、即、返事が返ってくる。

”19時過ぎに駅に着くから、19時半にホテルのロビーな”

その文字に了解と打ち、スタンプも押してやる。

それじゃ、顔洗って服を着替えるか。

その前に一旦、机の上を片付けようとノートを手にする。作業がはかどったのが分かる。12時半から6時間で30ページとは頑張った証拠だ。

なにしろ、真が転がり込んできてからは週2回の買い物が3回になったし、洗濯物も毎日しないといけなくなったからだ。

よく頑張っても10ページ書ければ良い方だ。

これなら、余裕に締め切りに間に合う。

そう思いながら軽くストレッチして体をほぐしスマホを手に取り見ると19時を過ぎている。

それを確認すると顔を洗い、さっぱりしたところで服を着替えた。

10分前に部屋を出てエレベーターで下りる。

 

このホテルのロビーって広いからなあ、どこにいるのだろう。でも探さなくてもいいみたいだ。女性の群れが出来ているから、おそらく中心に居るのだろう。

嫌だな。あの中に入りたくない。そういう思いでエレベーターホールの入り口でLINEを送ってやる。

”どこー?”

すぐ返事が来る。

”ロビーつったろ”

”ロビーが広いの知ってるだろ”

すると、割と近くで声が聞こえてきた。

「えーとぉ……。どこだぁ?」

キョロキョロと見回しているみたいで間があった。

「あ、いたいた。ごめんね、連れが来たみたいだ」

いくつもの声が聞こえてくる。

「えー」

「一緒に話しましょうよ」

「連れも一緒で良いから」

等々と聞こえてくるが、うるさいのは嫌だ。だけど、真は、こっちに来てくれるので女性の集団から離れてくれるので助かったよ。

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