龍神の宮殿

21

身体が動かないので、思わず言っていた。

”体が動かない。”

「当たり前だ。」

”喋れるのに。”

「計算して撃ってるんだ。」

”そんなチャチな物に。”

「気が付かないか。これは洗礼を受けた護身銃だ。」

”なんで、あんな弾を。”

「見つけたからさ。鉛玉だと無理なのは分かってるから入れ替えた。それだけだ。」

”貴様、何者だ。”

「医者だ。」

”にしては”

「詳しく言うと、デジタルドクターであり、スポーツドクターであり、ヒューマンドクターだ。」

”他には?”

「まだ分からないのか? 洗礼を受けた護身銃を通ったから弾も洗礼されたんだ。それを、貴様に向けて撃ったんだ。神の加護付きでパワーアップした弾丸でな。」

 

頭の中では2人の親の言葉が伝わってくる。

”洗礼を受けた護身銃に、神の加護付きだと。”

”それだと叶わない。”

その両親の声に毒づいていた。

”くそぉ、それでかっ”

「人間に危害を与えようとした。してはいけない事だろ。」

”自由に空を飛び回り、駆け巡りたい。”

「死ぬと自由に出来るぞ。」

”魂ではなく、この身体でだ。”

「それは無理な話だな。」

 

違う人間の声がする。

「よし、後は蓋を閉めるだけだ。」

”貴様等、絶対に許さない。”

「50年ごとに起こる地震とかは、もうゴメンだな。」

「地盤が緩んで人も住み付かなくなってきている。ここで暮らす人間にとって死活問題だ。」

 

”吾をどうするつもりだ?”

「封印する。」

「もう出てくるな。」

 

”勝手な事を。”

「どっちがだ。」

「大人しく成仏するんだな。」

そう言うと、現世と異世界の狭間に当たる場所を確実に見抜いた人間は、そこへ箱を置いた。

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