龍神の宮殿

23

すべてが終わったのだろうか。

お父さんとお母さんの話し声がする。

”でも、その肉体は腐臭がするだけでなく、朽ちてもいる。人間にとっては封印して安堵しているだろうが、それは違う。”

”そうね。封印して眠りにつくのではなく、永遠の眠りにつく。”

思わず聞いていた。

”それは、どういう意味?”

”その肉体は死んでいく。さあ、その肉体から出て土に還しましょう。”

”意味が分からない……”

 

”お前は神龍でなく、普通の龍となり魂だけになるんだ。いわゆる、お前は完全に死んだんだ。”

”死んだ?”

”私たちと同じよ。”

”同じとは?”

お父さんとお母さんは微笑んでくる。

”いらっしゃい、幼き子よ。貴方は、これからは自由に飛べる。一緒に空を駆けまわりましょう。”

”お母さん……”

次は、お父さんだ。

”そこから出るのは簡単だ。”

”そうなの?”

”ああ、お前は既に死んでいるからな。”

”え、いつの間に?”

”自分が死んだ事も分からなかったのか。”

お母さんが説明してくれる。

”神龍になった時点で、貴方は死んでるの。だから肉体は朽ち腐臭が進む。”

”それなら、どうして”

”ただ、私の結界力で気付かせなかった。それだけよ。”

2人は微笑んでくる。

”さあ、いらっしゃい。”

この2人の腕に、胸に抱かれたかったんだ。

だから言っていた。

”抱っこして。”

 

その声に、2人は両腕を広げて微笑んでくれた。

”良いよ、おいで”

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