龍神の宮殿

25

親から力を借り、なんとか魂も龍の形になった。

時間制限有りだが仕方ない。

”神龍になる前は、まだ幼龍だったからな。”

”どこに行くのか分からないけれど、人間に気取られない様にね。”

”大丈夫だよ。吾を封じ込めたと思ってる、あのチャチな銃を持った人間の所に行くから。”

 

”気を付けろよ。”

”あの人間の気は吸わないで頂戴ね。”

”見守ってて。”

 

”ああ、行っておいで。”

吾を封じた、あの見事な完膚なき銃の腕前を持った人間。神の加護を付いた銃と身体を持つ人間。

その人間に会いたくなったんだ。

 

その人間の気を吸っていたから、どこに居るのかは分かる。

近くじゃないか。

 

バシンッと勢いよくドアが開くが、これは、お父さんの力だ。

途端に、荒々しい波の音が吾を優しく包んでくれる、この気は、お母さんの力だ。

吾の近くに2人は居る。

 

ドアを開けると件の人間は居たので声を掛けてやる。

”ほう、何をしているのかと思えば……”

声を掛けると相手は驚いてる。

そんな顔を見るのは嬉しいものがある。

”よくも吾を封じてくれたな。”

 

考えているのだろう。暫らくして声が返ってくる。

「まさか……」

”精一杯の力で蘇った。この姿は今宵限りの期限付きだ。”

「どうやって……」

”貴様の射撃の腕は見事だったぞ。あれには舌をもまいた。”

「サンクス。」

お母さんから貰った御守りダガーが、そいつともう1人の人間に掛かっている。

”ふ、吾のお気に入りのダガーをペンダントにしてるとはな。よく、それを見つけたな。”

「探し物は得意でな。」

その人間は聞いてきた。

「何か用か?」

”貴様に贈り物してやろうと思ってな。。”

「何を?」

”受け取れ”

そう言うと、金粉を噴き出してやる。

「これは!」

”吾は火を噴く事は出来ぬ、出来損ないの龍だ。何百年もの間、人間は吾の杯に色んな物を押し込み、火を噴く事は出来ずに泣かされていた。それを50年近く前、5人の小さい人間が吾を押し込め、尾を動かさない様にと杭を打ち付けてきた。吾の肉体は、あそこに繋がれたままだ。これから何十年も掛けて滅び土に還るだろう。”

「何故、それを私に?」

”何故だろうな。それは吾にも分からぬ。ただ、あの銃弾を受けて感激したのは確かだ。”

「感激って……」

”吾は、吾の生まれた天空に帰る。神の加護を受けた銃と身体を持つ者よ。その金の粒をダガーの柄の蓋を開けて入れておけ。そうすると最強の御守りになる。”

「え、この金色の粉が?」

”人間とは寿命が短かい生き物だからな。贈り物である金を入るだけ入れて身に付けろ。2人揃って気品が出てくるだろうよ。”

本当なら、もっと話したかった。

だけど、もう時間がなかった。

”じゃな。”

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