お父さんとお母さんが吾を連れて行ってくれる。
狭間に着くと、声を掛けてくれた。
”50年後、待ってるよ。”
”うん、待ってて。”
お母さんは優しく言ってくる。
”今度は一緒に空を飛び回りましょうね。”
”今度は、宇宙を駆け巡りたいな。”
その言葉に微笑で返してくれる。
”気持ち良いわよ。”
”楽しみにしてる。”
”眺めも良いし爽快感あるからな。”
”今度は色んな事を教えてね。”
”ああ。次は死ぬことは無いからな。それに、たっぷりと時間がある。”
狭間の門番龍から声が掛かってくる。
”おい、そろそろ閉めるぞ。”
邪魔してくるのか、その龍に睨んでやると両親は微笑んでくる。
”行っておいで。”
”気を付けて。”
その2人に微笑み返していた。
”はい。行ってきます。”
50年後、吾はどうなっているだろうか。
もう年齢を取る事は無い。
火を噴けない幼龍のままだけど、それでも翼は生え空を飛べる事は出来る。神龍になる前に、お父さんとお母さんから翼が生える事と空の飛び方を教えて貰ったからだ。
でないと魂になっても飛べることは出来ない。
これから50年間、吾はこの狭間の向こうの空間に居る。
それは浄化されるという事だ。
お父さん、お母さん。
待っててね。