3年後。
今度こそはと息込んだ成龍たちは件の地にやって来た。
だが宮殿が潰れたのか、何か変だ。
”見てくる。”
偵察隊が3人、崩れた宮殿の近くに寄っていく。
暫らくして舞い戻ってくると皆に報告する。
”あの女と、子どもの屍がある。”
”なに?”
”腐ってる箇所があるが、大丈夫そうだ。”
”子どもの方は死んで間もないというとこだな。”
その言葉に、ニヤリとほくそ笑みが出てくるのが分かる。
”ふ。あの神の御子を食らった身体だ。母子共々、その体を貰おう。”
その様子を見ていた2龍が居た。
”やっぱり来たな。”
”見てなさい。龍界一の結界は破れなくてよ。”
戦士龍が16に、戦士になったばかりのひよっこ成龍が10か。
まあ、50年前のあの時にたっぷりと焔を浴びせてやったからな。90近くの戦士龍が死んだ。あの狭間で一緒に50年間居たんだ。
だから、残りは15か16ぐらいだろうなと思っていた。
妻の力に自分の力を添え、龍界が誇る龍界一の戦士は(よくも吾を食らってくれたな、覚悟しやがれ!)という強い思いで口を開いた。
遠慮なんてしない。
妻の結界のラインに沿って焔を出現させてやる。