龍神の宮殿

29

いきなり目の前に焔が出現した。

しかも、もう少しで目指す箇所に着くという時に。

これだと避けれない。

躱す事も出来ない。

突っ込む。

 

しかも、上からは雷が降りてくる。

上と下から狙ってくる。

 

誰もが逃げる事も避ける事も出来なかった。

”ギャー……”

”この雷は……”

”あ、あ、あ……”

”こ、これ、は……”

”いか、雷は……”

”こ、この、ほの、お……”

”あ……”

”死んだ、は、ず……”

”みん、な、で……”

”くらっ……、た……”

”ど……、し、て”

しかも溶けていく。

先に翼が、それから足、尾、胴体へと燃え移っていく。

最後に頭だ。

”あ……!“

“きえ、て……”

”こ、これだと……”

”狭間には……“

“行けれな……”

”あ……”

”転生の、輪に……“

“入れな……”

”い、やだ……”

”嫌だ―――”

そんな光景を、目を背ける事をせずに2龍は眺めている。

”流石、私の自慢の旦那様ね。”

”はは。まあ、あいつは全ての物を飲み込んでただけだからな。”

”あら、何かネタがあるの?”

小声で耳打ちしてやる。

”あいつの肉体の中では、あの御子だけが生きていた。”

”えっ、あの神の御子が?”

”その御子に持ち掛けたんだ。『吾は、すでに死んでいる。そこから出してやるから、吾を食らった龍に報復したいので力を借りたい』とな。”

”それで……”

”そうだ。神の御子の力で、さっきの焔が出たんだ。”

”どおりで焔の威力が違うと思った。”

”雷は得意だしな。”

そう言うと、妻はクスクスッと笑っている。

”50年後、あの子が戻ってくるのが楽しみね。”

”ああ。今度は、しっかりと守ってやる。”

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